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#9 朝ドラのロケ地 恵比島駅(沼田町・留萌線)

無人駅めぐり

札幌から特急列車に乗って1時間強。深川駅から、留萌線という路線が石狩沼田まで伸びています。

しかしかつては、石狩沼田から先にも線路が伸び、留萌(るもい)や増毛(ましけ)までつながっていました。

そんな路線、石狩沼田から留萌方面へ2駅行ったところに、恵比島(えびしま)駅はありました。

この駅で降りると目につくのが大きく立派な木造駅舎です。しかし様子がおかしいです。あまりにも「素晴らしすぎる」駅舎であり、正面には「驛萌日明」と書かれています。「明日萌駅」と右から書かれているのでしょうが、ここは恵比島駅で、明日萌駅ではありません。

実はここ、連続テレビ小説「すずらん」でロケ地として使用され、そのとき「明日萌駅」として登場した駅なのです。私は連続テレビ小説「すずらん」を知らない世代ですが、知っている方にはピンとくるのではないでしょうか。

先程の立派な木造駅舎は、恵比島駅の駅舎ではなく、ロケのために「明日萌駅」の駅舎として作られたロケセットです。では本当の恵比島駅の駅舎はというと・・・

ロケセットの右隣にある、これが本当の恵比島駅の駅舎です。

はい、元々は北海道によくある貨車を改造した駅舎です。以前紹介した紋穂内駅安牛駅と同じような駅舎です。ただ、ロケの際に景観を損ねないように、明日萌駅の駅舎と同じように木材で囲われています。

正真正銘の恵比島駅の駅舎は、ドラマの中では「便所」として扱われていたみたいです。恵比島駅の本当の駅舎としてのメンツをもう少し維持してほしかった気がしますが、確かに雰囲気は駅横の「厠」です。

ホームです。立派すぎる駅舎はロケセットでも、このホームは現役の恵比島駅です。

ちゃんと駅の名札、駅名標が恵比島駅であることを証明しています。

しかし紛らわしいことに明日萌駅の駅名標も立っています。字が右からですが。全く知らずにこの駅を通った人にとっては、窓の外の駅名標を見て困惑するかもしれません。ここは何駅なのかと。

ちなみに隣駅の「ましべつ」は留萌線のかつての終点、増毛(ましけ)駅を想起させますし、「ほろなか」は同じく留萌線の幌糠(ほろぬか)駅を想起させます。どちらも恵比島駅がある留萌線の駅なので、あれ、次の駅幌糠だっけ?なんて勘違いも起きてしまいそうです。

駅舎にも堂々と「明日萌駅」と。実際は恵比島駅なのに本当に困惑してしまいそうです。流石に混乱を招くと思ったのか右側には申し訳なさそうに小さく「えびしま」と書いてあります。

それにしても、なぜこの「明日萌駅」の表示は左から右なのでしょうか。ドラマに合わせた「明日萌駅」の表示に関しては、駅名標も駅正面も右から左に書かれていたのですが。

駅前通りはこんな感じ。この道路の雰囲気も昭和初期の駅前を感じさせ、恵比島駅がロケ地として選ばれるきっかけとなったようです。

駅前には雰囲気たっぷりの建物があります。これもドラマで「中村旅館」として登場したものです。こちらは完全なロケセットではなく、かつて黒瀬旅館という駅前旅館だったそうです。

駅舎も中村旅館も、営業時間には内部を見学することができます。このときは夕暮れ迫る時刻だったので、明日萌駅の駅舎も旅館も入れませんでしたが、管理者の方が開けてくれている時間もあるはずです。

残念ながら路線廃止に伴い、駅としては廃止されてしまった恵比島駅ですが、ロケ地としてはこれからも愛され続けるでしょう。私たちのように連続テレビ小説「すずらん」を知らない世代が大半を占めるまでは。

(以上2022年7月訪問時)

恵比島駅・2013年

2013年の恵比島駅。雰囲気は変わりませんが、このときはロケセットの駅舎内に入ることができました。2013年だから入れた、今は入れないというわけではなくて、このときは運良くロケセットの駅舎も旅館も開館中に訪問できたということです。

写真が不明瞭で申し訳ないのですが、駅舎内部はこんな感じです。雰囲気だけでもお分かりいただけるかと思います。かなり細部まで作り込まれている印象でした。架空の運賃表もありました。

ホームの雰囲気は変わりません。ただ、便所、もとい恵比島駅の正真正銘の駅舎の方は、誰も立ち入っていないのか入口に大きな蜘蛛の巣が張られ、少し荒れた様子でした。

この当時は「あしもい」の駅名標の後ろに「えびしま」の駅名板が掲げられていました。

中村旅館の中も見せてもらいましょう。

かつての旅館はこんな感じだったのでしょう。もちろんこの時代に生きていないので再現度はわかりませんが、急な階段が妙にリアルです。

連続テレビ小説「すずらん」をみていないので、どんなシーンで使われた場所なのかは詳しくわかりません。しかし昭和初期の旅館の雰囲気を知る上で、楽しいのではないでしょうか。ぜひドラマ見ていないから興味ない、ではなく、この辺りを訪れる機会があれば訪問されるのもいいと思います。

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