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#7 降り立ってすぐ温泉に 昆布駅(蘭越町・函館線)

無人駅めぐり

運河で有名な小樽駅からは札幌方面への電車が頻繁に出ていますが、逆方向の倶知安(くっちゃん)・長万部(おしゃまんべ)方面の列車本数は多くありません。そんな倶知安方面の普通列車も、倶知安から先はさらに本数が減ります。小樽駅から約2時間。そんな区間に、昆布(こんぶ)駅はあります。

海から離れているにもかかわらず「昆布」とは不思議な駅名ですが、昆布がとれたことに由来する駅名ではありません。正確な由来はわかっていないものの、アイヌ語の「トコンポヌプリ」(小さなコブ山)に由来すると考えられているようです。「ヌプリ=山」は覚えておきたいアイヌ語ですね。ちなみに花咲線には「昆布盛」という駅があり、昆布盛駅の方は本当に昆布が取れることに由来するようです。

駅舎は小さいながらも近代的です。駅前も小さな町といった雰囲気であり、目の前の道路も車の行き来があります。しっかりと人の営みを感じられる駅です。

綺麗な見た目とは裏腹に待合室内は狭く、そこまで綺麗というわけでもないごく普通の無人駅。旅の思い出を綴ることができる駅ノートも置いてありました。

旅の記念として買うことのできる、JR北海道販売の北の大地の入場券。こんな小さな無人駅ですが、実はこの駅でも販売しています。無人駅なのに販売しているの?と思うでしょうが、この駅の近くに「幽泉閣」という温泉施設があり、そこの窓口で売られているのです。

駅の上を横切るガラス張りの跨線橋が妙に近代的で、この駅の雰囲気を一層明るくしている気がします。

駅名標は新しく見えますが、隣駅表示「ニセコ」はシールで貼り替えられた跡があります。だいたいこのような場合、隣駅が廃止になったことで隣駅表示を書き換えた、というパターンなのですが、この駅とニセコ駅の間で廃止になった駅はありません。一緒に駅に降りたおじさんとどうして貼り替えの跡があるのでしょうね、と話していたのですが結局わかりませんでした。調べてみると、かつてニセコ駅は狩太駅という名前だったようで、駅の改名とともに直されたという可能性もあるかと思いましたが、改名されたのは1968年のこと。その当時はまだJRですらなく国鉄(日本国有鉄道)であり、このJR北海道デザインの駅名標がその時から立っていたはずがありません。もしかしたら、ひらがなで「にせこ」と書かれていたものを方針転換により「ニセコ」に書き換えたのかもしれませんね。本当のことはわかりませんが、想像を膨らませるだけでも面白いです。

澄み渡る青空が気持ちいいです。それにしても長いホームですね。ここにとまる普通列車はほとんど1両なのですが。

駅を出てすぐの道路。郵便局も綺麗な住宅もあり、交通量も多いです。北海道は土地の使い方に余裕があり、綺麗な町づくりが行われていることが多いです。

その道路も反対方面を見ると・・・ちょっと寂しいかな。

駅舎も綺麗、街も綺麗、跨線橋も綺麗な昆布駅。雰囲気たっぷりのガス灯があったりもします。

それではいよいよガラス張りの跨線橋を渡ってみましょう。この跨線橋を渡れば駅の反対側に行くことができます。この駅は駅裏の方が住宅が多く、活気があったりします。

こういうスカイウォークありますよね。短い通路ですが、気分は空中散歩。

駅の反対側に行くとすぐ、温泉施設「幽泉閣」があります。日帰り入浴だけでなく、宿泊もできる立派な施設です。売店やレストランもあります。ただしレストランの営業時間は短いので、行かれる方はご注意ください。

こういう温泉には必ず入ってきたいもの。昆布駅に行って幽泉閣に入らないのはもったいないです。

温泉は弱アルカリ性で、肌がツルツルになることから「美人の湯」と言われています。平日だったからかもしれませんが、私が行ったときはかなり空いていて快適でした。そして明らかに利用者は地元の人ばっかりでした。浴室内はかなり広く、露天風呂もあり、無人駅探訪中であることを忘れさせる優雅さです。宿泊も可能なので、いつか宿泊もしてみたいですね。

列車の時刻に合わせて温泉から出て駅へ戻り、列車に乗り込む。まさに旅をしてるという実感が湧くでしょう。

ちなみに、昆布駅は駅前の大通り沿いよりも、幽泉閣のある駅裏の方が住宅もたくさんあって栄えているんですよね。

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