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札幌〜旭川3時間!キハ40の花形運用に乗ってきた!

鉄道・航空・バス

※2024年3月16日のダイヤ改正により、この列車はキハ40系による運行ではなくなりました。

北海道で圧倒的な人口を誇る札幌市と、北海道内第2位の都市である旭川市。ビジネスマンも、旅行者も、この両都市間を行き来する人は多いです。

JR線でも、札幌〜旭川間は言わずと知れた北海道の大動脈で、特急「ライラック」や特急「カムイ」が30分〜1時間おきに走ります。他の区間の特急と比較すれば圧倒的に本数が多く、また速いです。

一方で、「キハ40」と呼ばれる車両は、そういった路線とは真逆の線区、ローカル線で主に使用されている車両です。かつては全国で走っていましたが、古くなり今ではすっかり数を減らしました。北海道内ではJR北海道の経営が厳しいために、老体に鞭打ってガタガタ走り続けており、長らく北海道のローカル線に乗れば「あ、また君かー」っていうくらいにお馴染みの車両でしたが、最近はあまり見かけなくなりました。

北海道屈指の大動脈、札幌〜旭川間。製造から40年経過したオンボログルマ(いや、実際オンボログルマの旅は大好きですから!)。全く異なるものに見える両者ですが、実は両者の共演が毎日行われています。「キハ40」が札幌〜旭川間を全線走破する便が1日1便だけあるのです。

それが札幌5時54分発、旭川行き普通列車です。一見ただの普通列車に見えますが、キハ40が北海道の中心・札幌駅を出て大動脈を走るということで、物好きの中ではかなり有名な存在のようです。もちろん札幌駅を出る列車の中で、キハ40が担当するのはこの列車のみ。しかもこの列車、さらに気になるのが札幌から旭川までなんと3時間を要するのです。普通に特急で移動すれば札幌から旭川は1時間25分。なんと通常の倍以上の時間をかけて走るのです。この奇怪な列車に乗って、札幌から旭川まで3時間かけて行ってみようではないですか。一体どんな道中が待っているのでしょう。

早朝の札幌駅

ということで、札幌駅にやってきました。これから普通列車で旭川に向かいます。

乗り込むのは、早朝5時54分発、旭川行きの普通列車です。札幌駅から出る函館線の1番列車です。実はキハ40以外の列車も含め、札幌駅から旭川駅まで直通する普通列車はこの列車が唯一です。旭川までは、特急がバンバン出ているので、普通列車で移動する人はほとんどいないのでしょう。私だっていつもなら、札幌〜旭川の移動に普通列車を使おうなんて発想にすら至りません。

北海道旅ではすっかり見慣れた車両が札幌駅のホームで待っていました。2両編成です。北海道を旅していれば列車はワンマン運転が当たり前ですが、この列車は途中の滝川まで車掌さんが乗務するようです。まさに花形運用です。

「旭川行き」の行き先表示。なんだか誇らしげです。

車内はかなり混雑していました。のんびりしていたらボックスシートは既に埋まっていました。

住宅街を抜けて

ロングシートは空いていたので結局そこに腰を下ろしましたが、運よく目の前のボックスシートがすぐに空き、他に誰も座る気配がなかったので移動することにしました。基本的に、札幌を離れるにつれて乗客は減っていくようです。

いつも近代的な通勤電車が行き交う大都会を、大きなディーゼルエンジン音を響かせながらのんびり走ります。なかなか面白い感覚です。

6時25分、江別(えべつ)駅に到着です。ここまでは、本当に通勤電車が頻繁に行き交う場所です。特急が止まらないため存在感は意外と薄いですが、人口10万人の大都市、江別市の中心です。札幌圏の普通列車でも、「江別行き」という表示はよく見ますね。

住宅街から田園風景へ

列車は田園の中を走り、6時49分、特急停車駅である岩見沢(いわみざわ)に到着です。札幌圏の普通列車は江別かこの駅が終点のものが多いです。豪雪地帯としても知られますね。ここで7分停車し、札幌を6時29分に出た特急「ライラック1号」旭川行きに抜かれます。

反対側のホームに特急「ライラック1号」が入ってきました。特急「ライラック」は、札幌からここ岩見沢までノンストップなのですが、札幌の出発が遅れたのか3分ほど遅れての到着でした。わずかな停車時間で客を拾い、旭川まで急いで走り去っていきました。

直線区間を走る

この列車も、ライラックの遅れを受けて3分遅れで岩見沢を出発です。

列車は石狩平野の田園地帯を快走します。北海道らしい風景です。これまでも直線の区間が多かったですが、光珠内(こうしゅない)付近からは国道12号を左手に、ずっと直線が続きます。

国道12号の光珠内付近から滝川付近までは、日本一長い直線道路として知られています。その距離29.2kmです。線路の方は道路よりも直線距離が短く(それでも24kmほどあり、全国3位の長さです)、滝川の市街地に近づくと左にカーブして国道12号の下をくぐり、滝川(たきかわ)駅へと入ります。ちなみに日本一長い直線線路は室蘭線の白老ー沼ノ端間28.7kmになります。函館線も室蘭線も、主要な町に鉄道を通すという目的よりも、石炭などの物資輸送のために建設された側面が強いため、出来るだけ最短距離を走ろうとしている路線です。そのため線路がほとんど直線なんですよね。

日本一長い直線道路の方、国道12号線は「囚人道路」という別名があるように、囚人たちの労働により作られた道路ですが、こちらは開拓のため、最短距離で道北方面へ繋げようとしたのでしょう。

滝川駅(7:45到着)では、7分停車し網走行き特急「オホーツク1号」に先を譲ります。オホーツク1号は、札幌駅6時50分発ですから、この列車の札幌発よりも1時間ほど遅く出た列車になります。

程なくして隣のホームに3両の特急「オホーツク1号」が到着、網走に向けて走り去って行きました。

そして滝川で今まで乗っていた車掌さんが降りてしまいます。ここからはお馴染みのワンマン運転になります。放送も車掌さんの肉声放送から録音の自動音声になりました。

滝川を出て、列車は引き続き広大な田園を走って行きます。滝川からも妹背牛(もせうし)付近まではずっと直線です。妹背牛で右にカーブすると、深川市街が見え、深川駅になります。

さて、ここ深川(8:16到着)でまた7分とまります。今度は特急「ライラック3号」に追い抜かれます。札幌を出てから特急列車に道を譲るのは3回目です。

反対のホームにやってきたライラック3号。この列車が札幌駅を出たのは7時12分。やはり特急は速いですね。ライラック号はここ深川を出ると、次が終点の旭川です。ラストスパートです。

トンネルを抜けて旭川へ

滝川を出ると、田園地帯であった車窓も次第に山が迫り、4500mほどある神居トンネルに入ります。その後もトンネルが続き、山の中を突っ切って行きます。旭川が山に囲まれた盆地であることを実感する瞬間です。かつて、この路線は石狩川に沿って走っていましたが、1969年の複線化に伴い、現在のルートに変更されました。

そして定刻の8時54分、札幌から3時間。終点の旭川駅に到着です。

3時間、大動脈のキハ40の旅。確かに面白い経験ですが、20分や30分などの長時間停車はないので、駅の改札の外に出てまったりしたりすることはできません。またかつての2429Dでの8時間乗車などを経験すると、たった3時間、しかも車窓の変化も少ないので物足りなく感じるかもしれません。ずっと大動脈を走るため「旅らしさ」も薄れますしね。

と、やや否定的な感想を書きましたが、期待が大きすぎただけで乗って損する列車では全くありません。冒頭にも書きましたが、デビューから40年のオンボログルマが、北海道の大動脈を3時間かけて走るのです。面白くないはずはありません。

ちなみに、札幌〜旭川間は特急列車で移動すると1時間25分(一部列車を除く)。乗車した普通列車は札幌〜旭川間で特急に3回抜かれ、旭川駅到着のわずか4分後、8時58分には札幌7時30分発の特急「宗谷」も到着します。これをのんびりしていていい、楽しそうだと思える方、ぜひ乗車してみてください。

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