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#20 大海原と駒ヶ岳 石倉駅(森町・函館線)

無人駅めぐり

函館から札幌へのルート、函館線は海の景色に山の景色に、非常に風光明媚な路線として知られています。函館から札幌へ向かう特急「北斗」に乗り込むと、函館から50分弱で着くのが森(もり)駅です。森駅まで駒ヶ岳の麓、複雑な火山地形を走っていた列車は、森駅から一気に視界が開け、車窓右側に美しい噴火湾(ふんかわん)の景色を眺めることができます。

そんな噴火湾を望む区間に、石倉(いしくら)駅はあります。もちろん特急は通過してしまう小さな駅です。

海は目の前。そして海の向こうには道南の秀麗、駒ヶ岳が見えます。なんとも雄大で美しい景色です。

特急列車の本数は多く、貨物列車もたくさん走る大動脈にある駅ですが、この駅に停車する普通列車は決して多くありません。波音だけが響く、海辺のまったりとした雰囲気です。

石倉駅は森駅の隣です。森駅は名物駅弁「いかめし」で有名な駅で、特急も停車する主要駅です。しかし隣駅といっても、森駅までは12.6kmも離れています。かつて石倉駅と森駅の間には、本石倉駅・石谷駅・桂川駅と3つの駅があったのですが、桂川駅は2017年に、本石倉・石谷駅はそれぞれ2022年に廃駅となってしまいました。駅名標にも、隣駅をシールで書き換えた跡が見られます。

駅舎は小さいものの綺麗です。少し可愛い見た目にも感じます。

訪問時は、意図的なものかはわかりませんが、駅舎のドアは開けっぱなしになっていました。日差しが差し込む明るい空間です。

一方で壁に挟まれたこんな空間も。

「駅ノート」は、駅の訪問者が自由に旅の思い出等を書き込めるものです。駅訪問者限定のコミュニケーションツールといった感じですね。無人駅では、旅人のために置かれていることが結構あり、それほど珍しいものではありません。

でも、これはですね・・・。石倉駅訪問者は数学が好きなのでしょうか。でも、この雰囲気の中で勉強したら意外と捗るかもしれませんね。

だって、窓の外はすぐに海。眩しい風景です。受験期にはここに来て勉強すればよかったですかね。悶々とした気持ちも晴れやかになりそうです。さっそく駅前に出てみましょう。

駅舎を出ると、いきなりこの景色です。穏やかな海と、その向こうに見える駒ヶ岳。観光地である大沼公園の風景とさほど変わらないような・・・しかもこちらは沼と駒ヶ岳ではなく、海と駒ヶ岳です。ですが、とはいうものの大沼公園から見る駒ヶ岳も非常に美しく、何より散策が楽しいのでぜひ行かれることをお勧めします。仮に石倉駅でこの風景を見たとしてもです。

駅前通り。海が荒れている際にはこの道路も潮をかぶるのではないでしょうか。そのくらい海の真横です。海面の高さともそれほど変わりません。

石倉駅から北へ向けて少し歩くと、集落があります。石倉駅付近には落部・栄浜(おとしべ・さかえはま)漁港があるので、漁師の方やそれ関連の方も多く居住しているのだと思います。

ちなみに駅名と同じ石倉漁港というものもありますが、石倉漁港はかつての本石倉駅付近で、ここ石倉駅からは離れています。この辺りは漁港が多く、海とともに発展してきた地域であることが伺えます。

ちなみに国道から石倉駅や、先ほどの集落へつながる道はこの風景です。緑に囲まれた小さな一本道と、遠くにちらっと見える海がロマンを感じさせます。

駅に戻ります。

駅からは国道も見えませんし、駅前の小さな道に車が通ることはほとんどないので、非常に静かです。もちろん人通りもありません。この駅の1日の乗車人員は「10名以下」と少数ではあるものの、今でもしっかり地元の方の乗降があるようです。

日も傾いてきました。潮の匂いが漂うこの海辺の集落にも、もうすぐ夕暮れが訪れます。

まるで絨毯のような穏やかな海。綺麗な水平線です。

ホームは長いですが、端の方へ行くと草が繁茂していて、正確にどこまでがホームなのかはパッと見てわかりません。

そんなホームに、迎えの列車がやってきました。ここを通過する特急列車や貨物列車は何両もつながっていますが、普通列車はたった1両。古いキハ40型が元気に走っています。名残惜しいですが、この列車を逃すとしばらく来ないので、素直に乗り込んでこの駅を後にします。

列車に乗り込んだ後も、しばらくは海辺を走ることになります。列車の窓を全開にして海風を楽しみましょう。

(2022年9月訪問時)

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