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「はまなす編成」「ラベンダー編成」って何?車内設備や注意点を解説!

鉄道・航空・バス

JR北海道の普通の特急列車を予約したら、「はまなす編成で運転」や「ラベンダー編成で運転」と書かれていることがあります。はまなす編成、ラベンダー編成で運転ってどういうこと??ということを紹介した上で、利用する上での注意点もお伝えします。

はまなす編成・ラベンダー編成とは??

JR北海道のホームページには、「多目的特急車両」と書かれています。多目的特急車両?そんな日本語あるのか??と思ってしまう方もいるでしょう。

ごくごく簡単に言いますと、「はまなす編成」「ラベンダー編成」は、「観光列車用の特急車両」のことです。「はまなす編成で運転」とは、通常の車両ではなく、代わりに観光用の車両「はまなす編成」で走らせますよ、という意味です。同じく、「ラベンダー編成で運転」とは、通常の車両ではなく、観光用の車両「ラベンダー編成」が使われますよ、という意味です。

では「多目的特急車両」という肩書きは何なのか、という話ですが、通常観光列車用の車両は、その観光列車が走らない期間は、車庫で休んでいることになります。しかしJR北海道は全体的に、鹿との遭遇による急ブレーキや過酷な環境による車両故障も多く、車両のやりくりに余裕がありません。そこで観光用の列車を観光シーズン以外に休ませておくのは勿体無い。通常の特急列車としても走ってもらい、車両不足を補いたい。そんな思いで、観光用としても通常の特急列車としても使えるような車両を作りました。それが「はまなす編成」「ラベンダー編成」な訳です。

要するに、JR北海道のシックスマン的な存在。それが「はまなす編成」「ラベンダー編成」です。

はまなす編成とラベンダー編成の違いは??

これはぶっちゃけ、外観の色だけだと思ってください。車内設備は「はまなす編成」「ラベンダー編成」で共通です。

写真ははまなす編成。はまなす色です。一方ラベンダー編成はラベンダー色です。

車内設備

「はまなす編成」「ラベンダー編成」の車内設備を紹介します。「はまなす編成」「ラベンダー編成」は5両編成で、うち4両が普通座席車、1両がラウンジカーです。グリーン車はありません。

5両の号車番号の振り方は、列車によって2通りあります。

・ラウンジ(1号車)、普通座席車(2〜5号車)

・ラウンジ(増1号車)、普通座席車(1〜4号車)

ただし、5両でなく4両の場合もあるようです。その際は次のような編成になります。

・ラウンジ(1号車)、普通座席車(2〜4号車)

・ラウンジ(増1号車)、普通座席車(1〜3号車)

普通座席車の紹介

JR北海道標準の座席を、気持ち豪華にした座席が並んでいます。もちろん普通の特急車両の座席となんら料金は変わりません。特に目立つのが、背中の部分に取り付けられたカラフルなクッションです。これは通常の特急車両にはないものですね。

また通常の特急列車と異なり、全座席にコンセントが設置されています。コンセントは肘掛けの位置にあります。

また肘掛けにはインアームテーブルも備え付けてあります。もちろん通常の背面テーブルもあるので、1座席につき2つテーブルが付いている豪華仕様です。使い分けをするにも便利ですし、椅子を回転させて4人で向かい合って座るときは、背面テーブルが使えないのでこのインアームテーブルが大活躍しそうです。

全体的に、JR北海道の標準座席を基本としながらも、細かい気配りが施された非常に優秀な座席と言えるでしょう。長時間の乗車でも快適です。

また「はまなす編成」「ラベンダー編成」ではフリーWi-Fiが利用可能です。

コンセントもフリーWi-Fiも、現代では当然のサービスだと思うかもしれませんが、JR北海道のノーマルな車両にはないのです。JR北海道のサービスが、ようやく現代の「標準」に追いついた車両が、この「はまなす編成」「ラベンダー編成」だという捉え方もできるでしょう。

ラウンジの紹介

一番端の車両(1号車または増1号車)はラウンジになっています。定期特急列車に運用される時は自由席として使われ、基本的には自由に利用することができます。

ファミレスのような4人がけ座席と、

窓に向かって座るカウンター席があります。

落ち着いた居心地の良い空間で、長時間の利用でも快適です。先述したように、定期特急列車に運用される時は自由席として使われるため、普通座席車には見向きもせず最初からラウンジに席を陣取り、目的地までずっとここで過ごすという乗客もいます。共用のラウンジという特性上、そのような使い方は良くないのではないかと思いますが、JR北海道では特に問題とはされていないようです。どうしてもラウンジを利用したいという場合は、始発駅からここに腰を下ろすという選択肢もありなのかもしれません。

もちろんラウンジでもコンセント・フリーWi-Fiが利用可能です。

なお、はまなす編成の場合は「はまなすラウンジ」、ラベンダー編成の場合は「ラベンダーラウンジ」という名前が付いていますが、内装は共通です。

注意点

「はまなす編成」「ラベンダー編成」を利用する際の注意点です。それは、列車内のコンセント・フリーWi-Fiに頼ってはいけないということです。列車内で充電すればいいや、列車のWi-Fiを使って仕事をしよう、という計画を立てることはかなり危険です。

なぜか。それは頻繁に車両変更があるからです。「はまなす編成」または「ラベンダー編成」で運転予定でも、何らかの事情で運用に入れず一般車両で代走、ということが結構な頻度であります。この場合、当然コンセントもWi-Fiも使えません。本当にコンセント・Wi-Fiのある「はまなす編成」「ラベンダー編成」で運転されるかどうかは、乗車直前までわからないのです。

2021年冬(1・2月)の宗谷線特急では、本来「はまなす編成」で運転予定だった列車の約半数が通常車両での代走となりました。主な原因は鹿との衝突回避のための急ブレーキによる車輪の損傷で、「はまなす編成」が長期間運用できなかったことです。

列車内のコンセント・Wi-Fiに頼ってはいけません。スマホ・PCの充電には余裕を持って、そしてWi-Fiが使えないことも想定した上で、列車の旅を楽しむようにしてください。

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