釧路の名物に「勝手丼(かってどん)」というものがあります。勝手丼というのは、ご飯を購入し、自ら好きなネタを好きなだけ乗せて食べられる海鮮丼です。要するに、自分でネタをすべてカスタマイズできる海鮮丼ってことですね。
青森の「のっけ丼」とだいたい同じシステムです(厳密にはネタの買い方が少し異なります)。
勝手丼はどこで食べられるの?
勝手丼を食せるのは、釧路の和商市場です。釧路駅からすぐ近くなので、アクセスで困ることはあまりないでしょう。
釧路駅の目の前を通る道道24号線沿いにあります。
ありました。やっぱり観光地だけあって目立ってますね。
和商市場に入ると、まず目に入るのは土産物屋さん、そして海産物販売のお店。道道24号線側から見て一番奥に、勝手丼をやっているお店があります。
勝手丼の楽しみ方と注意点
まずはご飯を買おう!
まずご飯を売っている店があるので、そこでご飯を買います。これを買わないことには何も始まりません。ご飯のサイズは数種類から選ぶことができ、小さいのだと100円くらい、大きいのだと400円くらいです。
注意ですが、ご飯は酢飯ではありません。普通の白米です。海鮮丼は酢飯でなきゃ!という人は、酢飯に変更できますが、追加料金が必要になります。何も言わずにご飯を注文すると自動的に普通の白米になるのでこだわりのある方は気をつけてください。ネタを全部のせて食べ始めた後でこんなご飯だと思わなかった・・・となっても遅いですからね。
次にネタを売っている店へ
ご飯を買うと、ネタを売っている店から(おそらく)猛烈に声をかけられます。まずは店の人にご飯のどんぶりを渡しましょう。
ネタはずらっと店頭に並べられており、そこから欲しいネタをチョイス、店の人に伝えることでネタを乗せてもらえます。
そしてネタを乗せ切ったところでお金を払い、どんぶりを返してもらいます。醤油・わさび等はこの時にもらえるので安心してください。
ネタを乗せられる店は、佐藤商店・瀬野商店・さとむらの3店舗。すべて近接しています。1店舗ですべての具材を乗っけて勝手丼を完成させてもいいですし、3店舗すべて巡って勝手丼を完成させても大丈夫です。ただし、複数店舗を巡る場合は、必ず最後の店で醤油・わさび等をもらうようにしましょう。最後の店でない場合は、「これから他の店も回るため醤油・わさびは不要」という旨を伝えましょう。
たくさん勧められるが、断る勇気も必要
店の人はどんどんネタを乗せるように勧めてきます。商売としては当然ですし、ネタに自信があれば尚更です。最初に店の人にご飯のどんぶりを渡してしまうので、なんとなく店の人に主導権を握られてしまう人もいるかもしれません。店の人に言われるがままにネタを乗せてしまい、気づいたらお会計額がとんでもないことになっていた、ということにならないよう注意が必要です。時には断る勇気も必要です。
まあなんだかんだ、勝手丼を最大限楽しむために一番大事な点はこれかもしれません。ある程度予算をあらかじめ決めておくのも手でしょう。
必要予算は?
安いネタだけを乗せて1500円、標準では2500円くらい、奮発すると3500円くらいになるイメージ(ご飯代含む)だと割と正しいと思います。いくら乗せるネタが自由とは言っても、1000円の海鮮丼を作ろう、とかはちょっと無茶があるかなと思います。
勝手丼は高い!という声があるが・・・
ネット上には、「勝手丼は高い」というコメントが散見されます。中には「回転寿司の方が低価格で高品質」という人も。うん、確かに北海道の回転寿司のクオリティーが高いことはその通りですし、それを否定するつもりもありません。確かに一理あるとは思いますから。
個人的には、「勝手丼は高い」と思うか否かは、勝手丼に対し何を要求しているかによると思います。確かに、ただ「安くて美味しい海鮮を食べたい」という目的の場合、勝手丼より回転寿司の方がコスパがいいでしょう。しかし、勝手丼には、回転寿司にはない魅力があります。その価値をどう評価するかが、「勝手丼は高くて大したことなかった」と思うか、「勝手丼最高だった!」となるかの分かれ目のような気がします。ここからは、回転寿司にはない勝手丼の魅力をご説明します。
せっかくだから、勝手丼の魅力を知っておき、それを最大限活かせるような楽しみ方をして、「勝手丼最高だった!」と思って帰りたいものです。
回転寿司にはない勝手丼の魅力
まず普通に楽しい!
まず普通に自分だけのオリジナルのどんぶりを作るわけですから、何を乗せようか考えるだけでも楽しいもの。そんな楽しみをぜひじっくり味わって欲しいものです。逆に、そんな楽しみはいらない、ただ美味いものさえ食えればいい、という方には勝手丼は向きません。一刻も早く食いたい、じっくりネタを選ぶ時間なんて無駄だ、という方にも向きません。
「勝手丼」は、そのオリジナル海鮮丼を作る過程に楽しみがあり、それが旅行での「経験」、アトラクションのようなものなのです。
地のもの・珍しいネタが食べられる
これも大きなポイント。回転寿司では到底食べられないような珍しいネタがあるのも、釧路の勝手丼の特徴です。例えば「ホッケ」。ホッケってよく焼き魚では食べますが、刺身では食べたことがない人がほとんどなのではないでしょうか。そんなネタも、釧路の勝手丼では選ぶことができたりするのです。
他にも回転寿司ではなかなか見ない珍しいネタが結構あります。私のおすすめは「他では食べられない珍しいネタを食べまくる」ことです。よかったら参考にしてください。
また、釧路周辺の地のものがたくさん並んでいるのも特徴です。回転寿司って、北海道の回転寿司でも意外と地物は少ないのですが、ここ和商市場では地のものがたくさん。ネタには産地も明記されているので、ぜひ地物を積極的に選びましょう。
ちなみに私は、乗せるネタをほぼ地物に限定、そしてここでしか食べられないような珍しいネタをとにかく選びまくり、こんな海鮮丼を作りました。
美しくないねえ・・・って??いや、美しい海鮮丼はどこでも食べられます。こういう偏りまくった、絶対他では食べられないような海鮮丼を作ることができるのが、勝手丼の特徴なのです。
ただ、珍しいネタばかりを選ぶと、海鮮丼にした時にはどれがどれだったかさっぱりわからなくなりました。あれ、これなんだっけ?って思いながら食べました。皆さんも珍しいネタを乗せまくって、記憶力チャレンジやってみてください。きっとこれもエンターテインメントになりますよ。