「ラーメン日本一の町」として知られる上川町。「上川ラーメンとは何か」といったことについては当記事では省略します。ご存知でない方は以下の記事をご覧ください。

そんな上川ラーメン、私はかなり好きで、足繁く通っています。「ラーメン日本一の町」という表現は、決して大袈裟ではないと思っています。当記事では、「上川ラーメン」の知識を前提に、上川ラーメン全店舗をレビューしていきます。
上川ラーメンは、上の記事でも書いていますが、「上川ラーメン」という製法があるわけでも、味があるわけでもありません。「喜多方ラーメン」といえば、あのあっさりした醤油味、「函館塩ラーメン」といえば、中華スープ由来の透き通ったスープのあの味、とそれぞれ「こういうもの」というある程度固定化されたものがありますが、「上川ラーメン」の面白いところはそういったことが全くないところです。「上川ラーメン」は、どの店も全く違う味で、とにかく個性豊か。ここでしか味わえないのでは?というような個性的なラーメンが揃っているのです。そしてこれが、上川ラーメンの本当にすごいところだと私は思います。
上川ラーメンのお店は5店舗!
「上川ラーメンのお店」というと、基本的には「上川町ラーメン日本一の会」に入っている5店舗を指すことが多いです。この他にもラーメン屋がないわけではないですが、基本的には「上川ラーメン」として一般に語られるのは、この会に加盟している5店舗です。
各店舗それぞれ独自の味を出している「上川町ラーメン日本一の会」ですが、実は一応ルールがあります。例えば、「上川町ラーメン憲章」を守ること。そして、地元「三輪商事」で製麺されている麺を使うことです。すなわち、5店舗それぞれ独自の味を出しながらも、実は麺は全店舗同じなのです。

ちなみに、「三輪商事」も「上川町ラーメン日本一の会」に加盟していますから、三輪商事もカウントするならば「上川町ラーメン日本一の会」に加盟しているのは6店舗ということになりますね。ただ、もちろん三輪商事は製麺所ですから、行ってラーメンを食べられるような場所ではありません。

上川ラーメン全店舗レビュー!
#1 あさひ総本店

「あさひ総本店」「あさひ食堂」とも呼ばれるこのお店。上川ラーメンの5店舗の中で最も人気のお店で、味噌ラーメン「特みそ」が名物です。

はっきりいって、私に言わせれば、この店は次元が違う美味さです。いえ、他の店が普通というわけではありません。他のお店も本当にレベルが高いのですが、この店は本当にバケモノ級に美味しいです。私もここ「あさひ食堂」のラーメンに出会ってからも、北海道各地でラーメンを食べ歩いていますが、未だここを超えるラーメンには出会えていません。もちろん個人の好みによるので、ここが北海道で絶対一番だ!とまでは豪語できませんが、個人的な北海道のラーメンランキング・トップは間違いなくここです。
濃厚な味なのに、決してくどくなくて、というより北海道の味噌ラーメンとしてはかなりあっさりしており、この絶妙なバランスは本当にすごいです。

そして「幻の塩」もとんでもなく美味いです。純粋な塩・純度100パーセントという感じの塩ラーメンで、いくらでもスープを飲みたくなってしまう味です。さらに胡桃やすりごま、そして七味で少しずつ味変しながら味わうと、これが塩ラーメンの真骨頂と思えるような満足感です。塩ラーメンてこうも奥深くてこんなに美味しかったのか、と感動してしまいます。
#2 きよし食堂

スキージャンプの高梨沙羅選手が常連として通っていたことで有名なお店。こってりとした豚骨ベースの味が特徴です。とはいえ、スープの表面にはラードが見られ、やや旭川ラーメンの血統も感じます。


ここのおすすめメニューは、かなり判断が分かれると思います。塩も醤油も味噌も一定の人気があり、あまり「特定のこのメニューが看板!」と言った感じはありません。しかし強いていうならば、「醤油ラーメン」や「塩ラーメン」の人気が高いと思います。特に初めて行く際に、このお店の特徴を味わうには「醤油ラーメン」がおすすめでしょうか。豚骨ベースといっても、がっつり豚骨!ではなく、あくまで「豚骨ベースの醤油ラーメン」です。こってりとした、でも素朴で家庭的な味です。意外と北海道では珍しい味かもしれませんね。

またこのお店はチャーシューが美味しいことでも人気があります。こちらの写真は「塩チャーシューメン」。美味しいだけでなく、これでもか!というほどチャーシューが入っており、チャーシューの下からチャーシューが出てきます。チャーシュー好きにはたまりません。チャーシューメンでこれだけのチャーシューが乗っているのなら、「めいっぱいチャーシュー」は一体どんなことになるのでしょう。
そして当然ながら、塩ラーメンも豚骨が効いています。函館塩ラーメンのようなあっさりとした感じとはまた違う、まろやかでちょっとコッテリとした、優しい味です。
#3 二代目鉄人たかはし

「きよし食堂」の隣にある店。2020年に開業した新しいお店です。

カウンターと、小上がりが並ぶ店内はいかにもラーメン屋さんという感じです。カウンター席は店主の方との距離も近く、お話もしやすいです。
「二代目鉄人たかはし」というと初代は?と思いますが、2017年まで「ラーメンの鉄人 しばやま」というお店があり、この味を受け継いで開業したお店なのです。
ちなみに「ラーメンの鉄人 しばやま」の店主であった柴山昌春さんは、「上川町ラーメン日本一の会」の設立を呼びかけた人でもあります。特に「ごま味噌ラーメン」が名物で、上川ラーメンの中心的存在のお店の一つでした。

今の「二代目鉄人たかはし」の店主である高橋さんは、もともと中華料理の経験があったようですが、「ラーメンの鉄人 しばやま」が閉店した際、この味を受け継ぐべく、ラーメン店で一から修行し、さらに柴山さんから「ごま味噌ラーメン」の秘伝の味の製法を教わって、「二代目鉄人たかはし」を開店。初代の味を受け継いでいるとのことです。
名物の「ごま味噌ラーメン」は、胡麻の味が効いたとってもまろやかな味噌ラーメンです。たっぷりと胡麻が入っており、胡麻の香りがこれでもか!!!というくらいに広がります。この店に来ないと味わえない、クセになる味なのではないでしょうか。


看板メニューは先述の通り「ごま味噌ラーメン」ですが、一番人気は「至福の塩ラーメン」とのこと。こちらも美味しいです。しかし、他で味わえないこの店だけの味で、この店の個性が出ているラーメンといえばやっぱりごま味噌ラーメンであり、私はこちらをおすすめします。
また、このお店のチャーシューは「きよし食堂」ほど分厚くはないものの、切り立てを提供してくれるのが売りです。どんぶりの半分以上を埋め尽くすような大きなチャーシューは、切りたてとあって非常に美味しいです。「きよし食堂」と並び、チャーシュー好きにもおすすめできますね。チャーシューの食べ応えや分厚さを求めるなら「きよし食堂」、切り立てのちょっと上品な美味しさを求めるなら「二代目鉄人たかはし」がおすすめです。
#4 お食事処 さつき

国道沿いのこちらの店は、「黒塩ラーメン」を看板メニューとするラーメン店です。塩ラーメンなのに黒い!という珍しいラーメンです。


テーブルと小上がりが並ぶ店内。ラーメン屋さんというよりも地元の方から愛される食堂のような雰囲気で、なんだか落ち着く空間です。

一見醤油ラーメンか?という見た目ですが、れっきとした塩ラーメンです。でも黒ニンニクがしっかり効いており、一般的な塩ラーメンとは一味も二味も違います。ニンニクが効いているとはいっても、一般的なパンチのあるニンニクの味ではなく、優しい味であり、また純粋な塩ではないので、「あっさり醤油ラーメン」と「あっさり塩ラーメン」の中間の味のような印象を受けるかもしれません。確かにあっさりしているのに、優しいニンニクの風味がする、不思議な美味しさと魅力を持つラーメンです。
#5 食い処 あかし

上川駅前のこのお店。大きめで現代的な外観ですが、お店としては実は5店舗の中で一番の老舗です。


店内は小上がりのテーブルが並びます。ラーメン屋さんというよりも、ゆっくりできる定食屋さんのような雰囲気です。実際、地元の方の宴会などで貸し切られることも多いです。そんな内装がほのめかすように、ここはラーメン以外のメニューも充実しており、それらにも一定の人気があります。



看板メニューは「味豚(あじぶた)らーめん」です。大きく脂の乗った味豚が目をひき、こんな様子から一見ボリューム感のある脂っこいラーメンに思えるかもしれませんが、実はそんなことはありません。スープ自体は非常にあっさりしており、見た目とのギャップに驚いてしまいそうです。昔ながらの醤油ラーメン、という表現がピッタリくるでしょうか。
そんなあっさり醤油に乗っている味豚は、あっさりスープとは対照的に脂がしっかりのっていて、柔らかく絶品です。
個性溢れる各店舗を制覇しよう!
このように見てきてどうですか。どの店もすごく個性的でしょう。上川ラーメンは、「この店に行かないと食べられない味」で溢れています。冒頭にも書きましたが、それが上川ラーメンのすごいところです。ぜひ皆さんも食べ歩いて、自分の好みの味を探してみてください。個性的な味ばかりなので、同じ味をまた食べたくなったら、はるばる上川町まで行かないといけないですけどね!

