札幌・小樽と新千歳空港を結ぶ快速「エアポート」。新千歳空港を利用する方の多くが、札幌方面との行き来に使う列車です。快速・特別快速・区間快速合わせて毎時6本と本数も多く、空港を利用する観光客だけでなく、地元住民の方にとっても非常に便利な電車です。
そんな快速「エアポート」には、6両編成のうち指定席車両が1両だけあります。4号車の指定席「uシート」です。(残りの1〜3・5・6号車はすべて自由席です)
「uシート」の由来と2022/2026年の値上げ問題
「uシート」の名前の由来は、余裕(u)あるシート、あなた(You)のために、などの意味であるようです。石原裕次郎とかけて「裕シート」とする案もあったといいますが、結果的に「uシート」に落ち着きました。その由来の通り、ただ着席が保障されるだけでなく、特急列車と同じような快適なシートが用意されています。前後の座席間隔に関しては、特急列車のそれよりも広いようで、非常に快適な座席です。


問題は、このuシートに乗るためにかかる指定席料金です。2022年3月までは530円であったものが一気に840円に値上げされ、その際は利用客から大きな困惑の声が広がり、話題となりました。
530円だからよかったが、840円は高すぎる、もう乗らない、と。
しかしそれでおしまいではありませんでした。2026年にuシートはさらに値上げされ、なんと現在では1000円となりました。ただ、これにはカラクリがあり、JRの予約サイト「えきねっと」経由でチケットレスで申し込むと、少し安い800円で乗れるようになったようです。この200円の差はかなり大きいと思うので、これから「エアポート」のuシートに乗る時は「えきねっと」一択ですね。まあ、実質、「1000円への値上げ」というよりは「えきねっと誘導」ということでしょう。
uシート1000円は本当に高いのか?
「uシート1000円は本当に高いのか?」というタイトルにしてしまいましたが、これは駅の機械などで買う場合の値段です。先述したように、実際には、「えきねっと」から申し込めば800円であるわけですから、まあ実質800円と言っていいかもしれません。「えきねっと」の利用には無料の会員登録が必要ですが、JRの利用機会が多い人は会員登録をして、「えきねっと」経由でuシートを予約するのが賢いかもしれませんね。
確かに通勤電車としてみれば、uシート1000円(または800円)は高いと思うでしょう。でもでも、通勤電車ではなく、空港アクセスを前提にするとちょっと見方が変わると思います。
快速「エアポート」は地元客の利用も多いとはいえ、基本的には空港連絡の列車です。したがって飛行機利用を前提に、飛行機のサービスとuシートを比べてみるといいのではないかと思います。比べたいのはJALのクラスJです。
クラスJは、普通席のワンランク上の座席です。ビジネスクラスより下、普通席より上といった立ち位置です。クラスJは、当日空席がある場合に限り、2200円(羽田ー新千歳の場合・路線によって異なる)を追加で支払うことで乗ることができます。この料金も2023年4月に改定されたもので、その前はたった1000円の追加で乗ることができました。たった1000円でクラスJというのは、利用客には「安い」と大好評でした。
ここで、以下のA, Bの2つの選択肢が与えられたら、どちらを選びますか。
羽田空港から札幌へ行くのに、
A 羽田空港ー新千歳空港(100分)は「たった」1000円追加でJALのクラスJ、新千歳空港ー札幌(40分)は自由席で立ち移動
B 羽田空港ー新千歳空港(100分)はJALの普通席、新千歳空港ー札幌(40分)は1000円追加でuシート移動
私ならBですね。
なぜなら、JALは普通席でも十分快適だからです。わざわざクラスJにしなくとも、普通席でなんの不満もありません。しかしJRのuシート移動と立ち移動には雲泥の差があります。要するにAは「快適な飛行機+我慢の電車」で、Bは「快適な飛行機+快適な電車」だということです。しかも、空港に行く際などは大きな荷物を持ってい事も多いはずです。旅の疲れがある中で、大きなリュックとスーツケースを持って、満員電車に立って揺られるのは、結構しんどい事も多いと思います。
ここでは快速「エアポート」の自由席は立ち移動と仮定しましたが、もちろん自由席でも座れる可能性はあるので、一概には言えません。しかしこのように考えれば、1000円でも払って快適な席を確保するというのは、結構意味のあることなのではないでしょうか。
快速「エアポート」の区間しか考えていないから、「1000円は高い」と思ってしまうのかもしれません。札幌から新千歳空港までの運賃(自由席利用)は1230円。そこにuシート料金が1000円加算されるとなれば、体感的には2倍近くに料金が跳ね上がり、高い、乗らなくていい、となるのだと思います。しかし飛行機移動も含めた旅程全体で見れば、クラスJへのアップグレードと同じように、uシートがそこまで高いとは思わないのではないでしょうか。
快速「エアポート」のuシートは、観光客向けでしょう。毎日使うものではありません。だとすればやはり、思い出に残る快適な旅行を保証するための1000円は、高いとは言えない場合も多いと思います。むしろ、従来の530円だと観光客以外、通勤客などが利用してしまうので、それを防ぐための値上げだったのかもしれないですね。本当にuシートに座りたい人は、uシートが安い値段で提供されていると、通勤客で満席になってしまいすぐ満席になるかもしれないので、ある程度の値段がすることはむしろいいことと捉えているかもしれません。
最後に。uシートはかなり快適なので、おすすめです。特に小樽〜新千歳空港などの長距離利用の際に積極的に利用したいものです。1駅だけ乗っても1000円、全区間乗っても1000円で値段変わりませんから、なるべく長距離を利用する際に使うのが賢いです。
そして、先ほどもチラッと書いたように、荷物が多い時、そして自由席がとっても混み合う通勤・通学時間帯は積極的にuシートを使うと賢いです。高いから、と言って足蹴にせずに、uシートをうまく活用すると、北海道旅の上級者になってきますよ。
ただし基本的にはコンセントがないので注意してください。それが唯一の欠点でしょうが、最近は流石にコンセント付きの場合もあるようです。こればっかりは運みたいですね。
自由席を検討されている方へ
以上、指定席uシートをお勧めしてきましたが、やっぱり指定席uシートではなく、追加料金の不要な自由席への乗車を検討されている方は、以下の記事も参考になさってください。uシートは非常に快適ですが、実際のところ私自身もほとんど自由席を使います。安いので。


