北海道・美瑛(びえい)は北海道らしい景色満載の人気の観光地。夏に行っても冬に行っても素晴らしい場所です。
今回はその中から、パワースポットとしても有名な「白ひげの滝(しらひげのたき)」をご紹介します。白ひげの滝に行かれる際は、ぜひ近くの「青い池」もセットで訪問されることをおすすめします。青い池は、美瑛を代表する場所と断言して問題ないでしょう。
白ひげの滝、青い池以外にも美瑛ってたくさん見るところあるでしょう?とも思うでしょうが、本当にたくさんありますし、美瑛も広いので(特に公共交通機関利用の場合)あまり欲張らないことをお勧めします。美瑛に4〜5日滞在する、というのなら別ですが。特に青い池は気象条件によって青く見えなかったりもするので、美しい姿を見たい場合には予備日を設けておくのもいいかもしれません。
白ひげの滝へのアクセス
白ひげの滝があるのは、美瑛駅からバスで30分程度のところにあるびえい白金温泉(しろがねおんせん)です。美瑛で宿泊しようと思ったら、第一候補になるであろう場所です。
白金温泉にある代表的なホテルとして、湯元白金温泉ホテル、大雪山白金観光ホテル、ホテルパークヒルズなどがあります。ホテルは立派ですが、周辺は温泉街という感じの活気はなく、夜に買い物に出かけられるような場所ではありません。大きなホテルが数軒集まっている山の中といった印象です。
道北バスの「白金温泉」バス停で下車するとこの光景です。本当に何もないように見えますが、しっかり立派なホテルがあるので安心してください。
この白金温泉の中心付近、湯元白金温泉ホテルとホテルパークヒルズの間くらいに、白ひげの滝はあります。白金温泉のバス停からも300メートルほど歩けば見られるのではないでしょうか。本当に手軽に行けます。道も単純で案内もしっかりあるので、迷う心配はありません。滝を見られるのは「ブルーリバー橋」という橋の上です。
この橋から美瑛川を見下ろすと、白ひげの滝が美瑛川に流れる様子を見ることができます。
引用元:Google社 Google マップ
美瑛川が青い理由と白ひげの滝
もし冬に白金温泉に宿泊できるならば、ぜひ防寒対策をとって夜に行ってみることをお勧めします。ライトアップされて幻想的な姿をみることができます。
滝の水がどこから流れてきているのか、わからないでしょう。実はこれ、伏流水が地表に出てきて滝になっているもので、滝の分類では潜流瀑(せんりゅうばく)といいます。滝が流れ込んでいるのは美瑛川で、青く見えるのがわかるでしょうか。そして美瑛川を青くする理由の一つが、白ひげの滝にあると言われています。白ひげの滝から流れ落ちる水は、先に述べたように伏流水のため、地下のアルミニウムが水酸化アルミニウムとして多く溶け込んでいます。これにより美瑛川は、水酸化アルミニウムのコロイド粒子が豊富に含まれるようになり、その光の散乱により青さが生まれると考えられているのです。
冒頭にも触れた有名な「青い池」も、この美瑛川の下流にあります。したがって、青い池の青さは、実はこの白ひげの滝が理由(の1つ)と言えるのです。白ひげの滝あってこその青い池だったのです。
では、白ひげの滝から落ちる水がなければ美瑛川は青くならないのか、というと実はそんなこともないようです。
これは、白ひげの滝よりも上流の美瑛川。すでに青いですよね。というわけで、美瑛川が青い理由は白ひげの滝だけにあるわけではなさそうです。きっともっと上流のポイントで、白ひげの滝のように伏流水が美瑛川に混ざっていく場所があるのでしょう。白ひげの滝は、あくまで美瑛川が青い理由の「1つ」に過ぎないのでしょう。
美瑛川の青さを楽しみたいなら、昼に訪れた方がわかりやすいかもしれません。
青い川に流れ込む滝。美しいです。
夏の白ひげの滝はこんな感じ。緑に囲まれる滝の姿も綺麗ですね。
青い池・白ひげの滝・白金温泉の3コンボは、THE美瑛です。ぜひ訪問をおすすめします。
白ひげの滝観光の所要時間は?
白ひげの滝は、その美しさに比して、信じられないほど手軽に見られます。白金温泉の宿からコンクリートで舗装された広い道を歩いてすぐ。コンビニに行くような感覚で行けてしまう滝です。階段の上り下りすら必要ありません。
そして、滝の姿を見られるのは先述した通り「ブルーリバー橋」の上だけ。滝壺に降りたり、滝に近づいたりすることはできません。滝のそばまで行くのも楽、見るスポットも1箇所だけということで、白金温泉でほんの15分ほど時間を取れば十分満喫できてしまいます。
これだけ短時間で満足できる白ひげの滝ですが、夜のライトアップがかなり美しい滝なので、ぜひ白金温泉に宿泊し、夜のライトアップされた姿と翌朝の明るい滝の姿、2回楽しむことを強くお勧めします。白金温泉はその名からも想像がつく通り、「黄金の湯」とも呼ばれるほど素晴らしい泉質ですよ。
(余談)美瑛の由来と美瑛川
美瑛。美しい地名ですよね。まさに美瑛を表すような名前です。
ところで美瑛の語源はご存知ですか。こちらも類にもれずアイヌ語に由来しています。アイヌ語のピエ(piye)です。
そしてこのピエ、脂ぎった(川)という意味なのです。脂ぎった川と呼ばれているのは紛れもなくこの美瑛川のことです。今ではこんなに多くの人を惹きつける美瑛の象徴が、かつてはアイヌの人々に脂ぎった川と称されていたこと、面白いですよね。この川の水源には硫黄山(十勝岳)があり、実際に美瑛川は白く脂ぎっていたようです。
それでも、美瑛川が脂ぎっていたことがこの「美瑛」という美しい地名を生み出し、今ではその美瑛川がつくる青い池が美瑛の象徴となっています。美瑛が美瑛であるのは美瑛川のおかげと言えるでしょう。
ライトアップの時間などは以下からご確認ください。