オシンコシンの滝って何がすごいの?
オシンコシンの滝は、知床を代表する観光地の一つです。知床を観光する上では必修科目と言っていいでしょう。ただの滝でしょ?何がすごいの?と思われる方も多いかもしれません。
まずはオシンコシンってどんな意味?
まず「オシンコシンの滝」という不思議な名前の滝ですが、ある程度北海道を旅したことのある方ならば、アイヌ語由来の地名であることはすぐにわかることでしょう。アイヌ語の「オ・シュンク・ウシ」に由来し、「川下のエゾマツが群生するところ」の意です。
大迫力の分岐瀑!
オシンコシンの滝は、日本の滝100選に選ばれている滝で、落差50m、滝幅30mの大きな滝です。これより大きい滝だって山ほどあるでしょう、って?いや、それは確かにそうなのですが、大きな滝は滝の分類的に上からストンと水が落ちる「直瀑」とか、階段状に流れ落ちる「段瀑」が多いです。オシンコシンの滝は、「分岐瀑」という分類の滝で、岩盤を舐めるように落ちていくのが特徴です。オシンコシンの滝は、分岐瀑の滝としてはかなり大きな部類であり、滝幅も非常に広いので、その迫力は圧巻です。
分岐瀑というのは、普通は「女性的で優美な滝」と評されるものが多いです。しかしオシンコシンの滝はその大きな規模から、流れは優美でありながらも大迫力の滝なのです。
海の目の前!
オシンコシンの滝が、知床を代表するスポット、となっているのは、オシンコシンの滝が知床の地形を象徴するものだから、という理由も大きいのではないでしょうか。知床半島の地形的特徴として、半島の大きさに比して標高が高いのです。それはつまりどういうことかというと、川が高いところからすぐに海へ流れ出るような地形となっているわけで、川の流れが非常に急なものになるわけです。
普通は、川は山の上の方を流れる時は急流ですが、海に近づくと平野を流れるようになり、最後は穏やかに海に注ぐのが一般的です。しかし知床半島においては、山の上のような急流のまま、海に注いでしまうのです。だから海の目の前にこんなに巨大な滝ができてしまうのです。
知床は「最後の秘境」とすら呼ばれます。知床半島は決して大きな半島ではないにもかかわらず、なぜ「秘境」を維持してきたのか。それは色々な理由があるものの、1つに人を寄せ付けない急峻な地形があります。急峻な地形だからこそ、川がすぐに海に注ぐ。だから海の目の前に常識破りの巨大な滝ができる。いかに知床が急峻な地形なのか、それを体験できるスポットの一つが、このオシンコシンの滝なのです。
滝まで続く階段を上り、後ろを振り返ればこの風景。滝の目の前はすぐ海です。
アクセスはあっけないほど容易!
そんなオシンコシンの滝ですが、アクセスは非常に容易です。知床自体のアクセスが悪いということは置いておいて、普通に車・レンタカーで知床を観光する予定ならあっけないほど簡単に行けてしまいます。
知床に宿泊する方はたいていウトロ地区に宿泊される方が多いと思いますが、網走・斜里方面からウトロ地区に向かう道中にあります。しかも、駐車場に車を停めて、整備された階段をほんの少しだけ登ればすぐに滝です。なんなら、階段に登らなくとも滝を見ること自体は可能です(車を駐車して、降りる必要はあります)。
もう見ていかない理由がないくらい、観光客用にお膳立てされた場所、そしてお子様ランチのような手軽さです。悪天候時でも、さっと見て帰る。まるでコンビニに寄るような感覚で行けてしまう大瀑布です。
売店あり、トイレあり!大きな駐車場は当然あり!
もう観光地として申し分ありません。大きな駐車場はもちろんのこと、かなり大きめの売店「オシンコシン館」があります。知床の他の観光地ではあまり売られていないような「オシンコシンの滝グッズ」系もあったりするので、欲しいものはここで買っていきましょう。
また綺麗なトイレもあります。よく山の中で見るような「できれば中に入りたくない」系のトイレではなく、ちゃんとした都会のトイレです。車椅子対応トイレもあったはずです。パーキングエリアみたいな役割もバッチリです。
ただし、11月から4月までの冬季間はトイレは閉鎖されます。そこはご注意ください。
観光の所要時間は?
なにしろ、すごく簡単に行けてしまう滝ですから、観光の所要時間も短いです。15分程度でしょう。
ただ、先述したようにここは観光地としての設備がしっかり整っており、かなり大きめの売店すらあります。30分くらい時間を使って、売店もじっくり見ていくことをお勧めします。かなり充実していて楽しいですよ。
併せて行きたい!三段の滝
オシンコシンの滝の近く、オシンコシンの滝からちょっとだけウトロ方面(知床半島の先端方向)に行ったところに、「三段の滝」という滝があります。こちらはオシンコシンの滝とは違い、メジャーな観光地ではなく、観光客も決して多くはない場所ですが、興味のある方は併せて訪れてみるといいと思います。ここでも知床の急流を体感できます。
「三段の滝」という名前の通り、しっかり3段あります。現地に行くとしっかり全体像を体感できますが、写真に収めるのはちょっと難しい滝でもあります。こちらはトイレも売店もなく、人もまばらですが、駐車場はちゃんとありますし、駐車場からもほとんど歩くことなく見られる手軽さでありながら、滝を間近で見られるお勧めスポットです。
木々に隠れて全貌を見ることはできませんが、切り立った崖を勢いよく流れ落ちる1段目。最も神秘的です。
小さいながらも、岩盤に当たって水が弾ける様子が可愛い2段目。
落ち口ではきゅっと絞られていた水が広がるように流れ落ちる3段目。立派な滝壺を形成しています。
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