北海道の東部、清里町にある神の子池。青く見える池として、かなり名前は知られているのではないでしょうか。
神秘を感じさせる「神の子池」の名前
この池は名前からしてすごいです。「神の子池」ですからね。なんとも畏れ多いです。
そしてその名前の由来も、カムイトー(神の湖)と呼ばれる摩周湖の伏流水によってこの池ができた、という言い伝えがあるためです。アイヌ語の当て字で「神の子池」という名前がついたわけではなく、本当に「神の子」の池という意味で名付けられているのです。
神の子池へのアクセス・行き方
神の子池は山の中!訪問には車必須!
神の子池があるのは、結構な山の中。鉄道はおろか、路線バスでのアクセスも厳しい場所にあります。公共交通機関でのアクセスは事実上できないため、訪問する際は、自家用車またはレンタカーが必須です。
神の子池に行くには、未舗装で、かつそこそこ幅員の狭い林道を2kmほど走る必要があります。この道は冬季は通行止めになる上、大型車・中型車は通年通行止めです。また電波も通じにくいため、訪問の際は十分な注意が必要です。
駐車場は未舗装だが広々!
神の子池の駐車場はこんな感じ。未舗装ですが非常に広く、たくさん観光客が集中したとしても、駐車に問題はないでしょう。もちろん駐車料金などはかかりません。人がいるような場所じゃありませんからね。
神の子池は、周辺にも観光地が盛りだくさん!
また、せっかく神の子池を訪れるなら、裏摩周展望台も併せて訪問することをお勧めします。そのほかにも、屈斜路湖の砂湯、摩周湖第一展望台、摩周湖第三展望台、アトサヌプリ(硫黄山)、さくらの滝などが近くにあり、これらも全て超有名観光地ですから、時間が許せば足を伸ばしてみるといいと思います。
ちなみにそれら、この周辺の複数の観光地を訪問しようとしている方へ注意点です。この辺りは東西に走る道路が少なく、直線距離は短くても実際には大きく迂回して訪問しなければならないケースがあります。私はこれを「摩周トラップ」と呼んでいます。訪問される際は事前にしっかり道を調査し、大回りを何度も強いられることがないように、訪問する順番をしっかり決めておきましょう。
神の子池は本当に青い?そしてなぜ青い?
神の子池は、悪くないコンディションであれば、普通に青いです。
神の子池が青い一番の理由は、その透明度です。近くに摩周湖がありますよね。摩周湖は「摩周ブルー」と呼ばれ、青いことで有名ですが、摩周湖が青い理由も、摩周湖の透明度が日本一であるためと言われています。水が透明であれば、空の青さが水面にダイレクトに映るので、青く見えるのです。(これは余談ですが、摩周湖の透明度が高い理由は、摩周湖に流入する河川がなく、土砂などが流れ込まないためです。)
と言うわけで、逆に言うと、池の透明度が下がる要因があると青く見えなくなることがあります。代表的なのは雨ですね。青い姿を見たいのなら、雨後の訪問は望ましくありません。
美瑛にも「青い池」があるけれど、比較してどっちが青い?
北海道についてそこそこ知っている方なら、北海道の真ん中あたり、美瑛町にも「青い池」というものがあるのをご存知でしょう。「白金青い池」というやつです。
あれと比べてどっちがいいの?どっちが青いの?と訊かれることもたまにありますが、実はこの両者、美瑛の青い池と神の子池では、「青さ」の性質が異なります。そのため、単純に比較をするようなものではありません。
美瑛の青い池が青い理由は、以下の青い池の記事や白ひげの滝の記事に書いてありますが、簡単に言えば水に含まれる物質に影響している青さです。そのため絵の具のような青さで、池の底が見えません。
一方で、神の子池の青さは透明度が原因の青さです。そのため池の底までしっかり見える透明な青なのです。そのため、「なんでこんな色になるんだ」という驚きは美瑛の青い池の方が強い一方、神秘的な雰囲気は神の子池の方が強いと思います。
(参考)白金青い池
(比較用)神の子池
神の子池の所要時間
神の子池は、小さな池です。1周できるように遊歩道が整備されており、基本的には写真をとりながら遊歩道を1周する形になります。観光にかかる時間は15分程度でしょう。
熊が出るって本当?神の子池は危ないの?
先述したように、神の子池は結構山の中です。そのため確かにヒグマが出ることもあると思いますが、非常にレアなケースです。ヒグマも人間には出会いたくないですから、滅多には出ません。普通に観光するだけなら、極度にクマを恐れる必要はありません。歩く距離も決して長くないので、熊鈴や熊撃退スプレーを持っていくほどではありません。
しかしそうは言っても、当然ながらクマのことを全く考えなくていいわけではありません。万一にでもクマに出会ってしまったら大変です。周囲に他の観光客がいない場合や、夕暮れ時などは、手を叩いたり、喋るなどして自らの存在を熊に知らせながら歩くようにするといいでしょう。
また、5〜7月はヒグマが特に活動する季節ですから、それも頭に入れておきましょう。また、ヒグマの中で一番危ないのが子グマです。近くで親熊が見張っています。小さな子グマが出た、かわいいなんて言って近寄ろうものなら親熊が死に物狂いで攻撃してきます。周囲にクマの気配がないか目と耳を使って警戒し、もしクマを見つけたら、落ち着いてゆっくりクマから離れる。超基本にして一番大切なことでしょう。
また、実を言うとおそらくクマよりも厄介なのが虫です。アブ、ハチ、ブヨなどは、時季によっては大量発生する場合があります。市販の虫除けで構いませんから、必ず持参するようにしましょう。