真冬の北海道横断の旅(1)羽田空港から北海道へ

どの季節でも美しいですが、行けるなら2月の北海道は捨て難い。北海道が本気を出す季節です。

さっぽろ雪まつりのシーズンはどこもホテルは満員、価格も高いので、わざわざ雪まつりがちょうど終わったところを目掛けて北海道旅行に行くことにしました。日程は4泊5日、中学からの友人と一緒ですが、プランはもちろん私に決定権があるので、4日とも違うところに泊まり、休みなく移動を続けるハードモード旅行。1日中ホテルでのんびり、とはできない仕様にしてあるのです。そりゃ動きまくりたいですもん。

目次

早朝の羽田空港

さて、眠い目を擦りながら始発電車に乗り、羽田空港にやってきました。搭乗するのはJAL565便、女満別(めまんべつ)行きです。まずは北海道の北東にある網走に向かいます。

出発は北ウィング17番ゲートです。北海道行きのJAL便にばかり搭乗しているので、羽田空港に着いたら第1ターミナル・北ウィングに向かうのはもう体に染み込んでいます。京急線に乗る時から、無意識に第1ターミナルに近い後ろの車両に向かってしまいますからね。そんな私でも女満別行きに乗り込むのはかなり久しぶりで新鮮です。大体は新千歳行きに乗りますから。

搭乗するのはボーイング737-800です。搭乗率は8割ほどでした。737シリーズですが、かつてANAで運航されていた737-500に比べると、結構大ぶりな印象があります。やっぱり飛行機に乗り込むときの高揚感はいいですね。

滑走路は34Rからの離陸でした。朝日を浴びながら上昇していきます。

個人的にはJALに乗ったらコンソメスープかスカイタイムの2択です。今回は迷わずスカイタイムを選択します。コンソメスープはホット、スカイタイムはコールドのドリンク。北海道仕様の服装で着ているので、空港や機内では暑くて仕方がないのです。

スカイタイムは「ももとぶどう」の味ですが、かつては「キウイ」でしたね。個人的にはキウイ味の方が好きだったですが、どちらも美味しいことには変わりありません。

女満別空港から網走へ

飛行機はあっという間に女満別空港に着陸します。

女満別空港からはバスに乗って網走へ向かいます。飛行機の空港到着が8:50、バスの出発が9:00なので時間がありませんが、空港連絡バスは飛行機のお客さんが全員乗り込んでから出発するので焦る必要はありません。

それで結局、定刻から30分も遅れて9時30分に出発しました。預け荷物の受け取りに相当時間がかかり、そのお客さんを待ってからの発車となったのです。やはり飛行機というのは荷物を預ける・受け取るといったところで時間がかかります。飛行機や空港が混んでいると、預ける時も受け取る時も洒落にならないほどの時間を要することもあるので、私は基本的に荷物は預けません。荷物を預けないだけで、飛行機に乗り降りする際のフットワークがすごく軽くなります。まるでファストパスです。地方空港発地方空港着の小型プロペラ機とかだったら預けてもいいと思いますがね。

このバスは「空港連絡バス」と称しつつも、駅やバスターミナルに直行するのではなく、途中のバス停に停まっていき、それら停留所でも乗降が可能な「普通の」路線バスであることが面白いですね。まずはこれで網走バスターミナルまで向かいます。網走駅は網走の街の中心にはなく、バスターミナル付近が繁華街になります。

しかしここで残念な連絡が入ります。今日は16時30分網走港発の流氷観光船「おーろら」を予約していたのですが、流氷がないため欠航となったようです。通常、「おーろら」は流氷がなくても運航し海上遊覧をして戻ってくるのですが、予約していた便は臨時便のため欠航となったのです。

流氷がないのなら仕方ありません。今日は博物館・網走監獄でゆっくりしましょう。

まずは今夜の宿である「網走セントラルホテル」に荷物をデポし、タクシーで博物館・網走監獄へ向かいます。途中で網走駅に寄ってもらい、明日から使うJRのフリーきっぷを購入しました。ついでに明日の「おーろら」を予約できないかと電話しましたが、明日の午前中はどの便も満席とのことで、断念しました。明日の12時に網走を出ないといけないので、明日の午前までがタイムリミットなのです。

タクシーの中では運転手さんが色々と網走刑務所・網走監獄について教えてくれました。網走監獄を見るのはどのくらいかかりますか?と問うと、「ざっくり見て1時間、ゆっくり見れば1時間半だな」とのことでした。

監獄食堂

タクシーで現在の網走刑務所を横目に見ながら、博物館・網走監獄に到着です。博物館・網走監獄は、かつての網走刑務所の建物を移設して観光地化したものです。もとの場所には、現在は新しい刑務所の建物が建てられ、現役の網走刑務所となっています。

もちろん入場料を払って中に入ります。ただ門の前に、「監獄食堂」という食事処があるので、まずはそこで早めの昼食をとることにします。11時、オープンと同時に食堂に入りました。

やはり食べたいのは監獄食でしょう。現在の網走刑務所の食事が再現されている定食です。

監獄食B(ほっけ)を注文しましたが、美味しかったです。特にホッケはとんでもなく美味しかったですね。北海道をたくさん旅してきて、ホッケもたくさん食べてますが、この監獄食のホッケはトップクラスだと思います。そのくらい美味しかったです。

唯一微妙だったのが味噌汁です。味が薄いと感じました。これだけはリアルな刑務所食という雰囲気を感じさせましたが、よりにもよって味噌汁だけ刑務所の食事と異なるようで、実際の刑務所では味噌汁の代わりに番茶が提供されるようです。他が非常に美味しかったので味噌汁が相対的に微妙に思えただけかもしれませんね。

網走監獄

先にも書いたように、この後の流氷の予定がなくなったので、時間はたっぷりあります。パンフレットの1番から順に、一つずつ見ていきます。流石に一つ一つ紹介するのは大変なので、ここではざっくり書きますね。

博物館とはいえ、昔の網走刑務所がしっかり再現されています。

ここは職員官舎です。名前の通り、刑務所で働く職員とその家族が寝泊まりしていた部屋。

囚人の生活も展示されています。

それにしても、2月の網走にしてはびっくりするほど暖かかったです。気温はおそらく0度付近、若干プラスの気温になっていたのではないかと思います。この暖かさは南風が吹いているからで、流氷が網走に来ていないのはこのためでしょう。南風に乗って流氷は北に流されて行ってしまいますからね。

これが有名なメインの建物です。

中央の見張り所から全ての通路を見張ることができる構造になっています。

ちなみに脱獄王として有名な白鳥由栄は、ここから脱獄した人の一人です。鉄格子をとめている釘に毎日味噌汁をかけ続け、釘が錆びて格子を取り外せるようにしたエピソードは有名です。鉄格子を外したところでわずかな隙間しか空かないわけですが、白鳥由栄は全身の関節を自在に外すことができたようで、関節を外しながら抜け出したようです。鉄格子も関節も外せる白鳥由栄、恐るべし。

現役の網走刑務所まで歩く

網走監獄でゆっくりしすぎました。もうここにきてから4時間経過してしまいました。あれ、タクシーの運転手さんに、ゆっくり見て1時間半って言われなかったっけ??しかもこれ、途中で時間使いすぎだってなって最後結構急いで見てこの有様ですからね。いや、実はそれだけ見所が多いということです。

このあとは現役の網走刑務所に向かいます。最初はバスで行こうかと思いましたが、しばらく来ないようなので歩いて行くことにしました。

地道に山を降りていきます。

山を下り切ると網走川に突き当たります。ここからは川沿いに進み、刑務所を目指します。

(つづく)

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この記事を書いた人

道外出身・道外在住大学生。
小学生のころから北海道の魅力にとりつかれ、北海道旅行回数は30回超。
詳しくは「ご挨拶」ページを参照。
2024年5月25日Xアカウント開設。

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