新千歳空港駅の隣の駅、南千歳(みなみちとせ)。
特急列車、特別快速などもすべて停車する主要駅です。そして南千歳駅の主な役割は「各方面への乗り換え」。南千歳駅は、札幌方面、函館方面、釧路方面、新千歳空港方面の4方向に線路が伸びるジャンクションの駅。特に新千歳空港を利用する旅行者が、空港方面の電車と道東・道南方面の特急列車との乗り換えに使う駅ですから、慣れていないと乗り換えが心配ということもあるのではないでしょうか。
南千歳駅は線路が十字に交差するジャンクション
まずは南千歳駅の立ち位置からです。
このように、南千歳駅は各方面の線路が十字に交差するジャンクションの駅で、特に空港方面と道東・道南方面との乗り換え駅として重宝されています。新千歳空港から苫小牧・函館方面、新千歳空港からトマム・帯広・釧路方面、苫小牧・函館方面から新千歳空港方面、トマム・帯広・釧路方面から新千歳空港方面などに行く際は、必ずこの駅で乗り換えが必要になります。
具体的な列車名を挙げると、新千歳空港から特急「おおぞら」(釧路方面)「とかち」(帯広方面)「北斗」(函館方面)「すずらん」(室蘭方面)に乗りたい場合、新千歳空港から電車に乗って一回南千歳駅で降り、これらの特急に乗り換える必要があります。これらの特急は新千歳空港を通らないからです。
逆に、特急「おおぞら」(釧路方面)「とかち」(帯広方面)「北斗」(函館方面)「すずらん」(室蘭方面)に乗ってきて新千歳空港に向かいたい場合も、南千歳でこれらの特急を降り、空港方面の電車に乗り換える必要があります。
乗り換えは簡単にできるの?
実は南千歳駅は、その存在感の割には、ホームが2つ、線路が4本しかない比較的小規模な駅です。乗り換えの際も、歩かされる距離は短く、乗り換えは比較的容易な部類だと思います。とはいえ南千歳駅では大半の場合、乗り換えの際に、跨線橋を渡ってもう一方のホームに移動する必要があります。すなわち階段などを用いた上下移動が必要になります。これだけご注意ください。
※注:一部、列車によっては同じホームで乗り換えできる場合があります。車内放送で案内されるのでそちらを聞くようにお願いします。ただし、新千歳空港方面と道東・道南方面の特急列車の乗り換えについては、跨線橋を渡る必要がある場合が大半です。
またエスカレーターは上り専用です。そのため乗り換えの際、エスカレーターで跨線橋を上がっても、もう一方のホームに降りるときは階段利用またはエレベーターとなります。エレベーターはしっかり(といっても各ホームに1基ずつ)ついていますから、多少乗り換えに手間はかかりますが車椅子利用の方などでも乗り換えは可能です。
一方、跨線橋も改札口も1つだけなので、駅構内で迷う心配はありません。
乗り換えにかかる時間は、不自由なく歩ける方であれば3分、エレベーターを利用されるなど歩くのに不安のある方は8分程度見ておけばOKでしょう。
南千歳駅での乗り換えが心配な時は
先述の通り、南千歳駅での乗り換えは、ホームから跨線橋に上がり、また跨線橋から別のホームに降りる必要があります。これを回避する方法としては、そもそもJRを使わずに、新千歳空港に直接発着する長距離バスを利用するという方法があります。(ただし新千歳空港利用者に限りますが)
新千歳空港から函館方面や釧路方面に向かう場合、JR利用では必ず南千歳での乗り換えが必要になりますが、新千歳空港からは北海道各地に直行バスが出ています。帯広・釧路・室蘭・登別・函館など各地に乗り換えなしでアクセスできますから、そちらを利用するのも手でしょう。
南千歳駅で時間つぶしはできる?
南千歳駅で乗り換え時間ができてしまう、南千歳駅で時間をつぶしたい、という場合ですが、結論から言うと南千歳駅で時間つぶしはできません。新千歳空港から南千歳駅乗り継ぎで特急に乗ろうとする場合は、早めに南千歳駅まで行って特急列車を待つのではなく、直前まで新千歳空港で時間潰しをすることをお勧めします。南千歳駅構内、そして周辺は何もありません。
でも、早めに新千歳空港駅を出て、南千歳駅に行って特急列車を待っていた方が安心。新千歳空港から南千歳に行く電車が遅れて、南千歳駅から乗り継ぎの特急に乗り遅れる心配がある、という声もあるでしょう。確かに一理ありますし、その可能性も否定できないのですが、あまりそれは心配しなくていいと個人的には思います。理由を2つ書きます。
1つ目に、新千歳空港から南千歳に行く電車が遅れたら、南千歳駅から乗り継ぎの特急もだいたい遅れます。札幌まで同じ線路を使っていますし、千歳線には大量の電車が走っているので、何か電車が遅れるようなことがあればだいたい他の電車も遅れます。
2つ目に、南千歳駅の乗り換えに関してはJR北海道がしっかり配慮してくれることがほとんどです。新千歳空港方面からの電車が遅れたとしても、南千歳駅での乗り継ぎ客を考慮して特急が待っていてくれたり、逆に特急が遅れても、新千歳空港方面の電車が、乗り換え客が全員乗り込むまで発車を待っていてくれたりします。
なんとか南千歳で時間をつぶす方法は?
できれば避けたい南千歳駅での時間つぶしですが、せざるを得なくなった場合にはどのように過ごそうか、という話をしていきます。
改札内での時間つぶし<売店・待合所あり>
まず、ホームからエスカレーターを上がっていくと、改札内に待合室があります。夏は冷房、冬は暖房がしっかりかかっていますから、ここで時間をつぶしましょう。小さな売店もあり、営業時間内であればお茶や弁当を購入可能です。
なお、ホーム上にも売店があり、駅弁やお茶を購入できます。
改札外での時間つぶし<ショッピングモールがあるが・・・>
もし途中下車できる切符の場合は、改札を出てみるといいでしょう。切符に「下車前途無効」と書いてある切符だと、改札を出てしまうと切符が回収されてしまうので気をつけてください。
とはいっても、改札外も、ほとんど何もありません。南千歳駅周辺は、住宅街でも繁華街でもありません。飲食店やカフェが立ち並ぶ場所ではありません。
しかし一つだけ、南千歳駅から歩いて3分くらいの場所に、大きなアウトレットモール「レラ」があります。南千歳駅の改札を出るとすぐに「レラ」の案内表示があるので、そちらの方向に進めばOKです。
ただし、南千歳駅出口から歩いて3分くらいとは言っても、天気の悪い日に歩くのは意外と大変ですし、駅の出口までの通路もそこそこの長さがあります。慣れない方は南千歳駅の改札からレラまで8〜10分程度みておくといいでしょう。
またレラの中も非常に広いので、南千歳駅で最低でも30分以上の余裕がない場合は、レラに行くことはお勧めしません。
またレラは、衰退著しいアウトレットモールです。ハコモノとしてはすごく大きく立派な施設ですが、空きテナントだらけ、人通りも非常に少なく、悲壮感が漂います。皆さんがイメージされているような楽しいアウトレットモールとは違うかもしれません。それでも買い物はできますし、わずかながら飲食店もあります。南千歳駅周辺で一番頼れる施設は間違いなくここです。