オホーツク海に一番近い駅として知られ、観光客から人気の高い北浜(きたはま)駅。
駅の目の前に広がるオホーツク海の美しさはもちろんのこと、味のある木造駅舎もあり、数々のドラマのロケ地としても使われています。また、冬季には流氷が見られることでも有名で、流氷を見るための観光列車「流氷物語号」が、ここ北浜駅で10分ほど停車するなど、駅から眺める流氷は網走市の名物の一つとなっています。
夕暮れの北浜駅に下車しました。乗ってきた列車が、夕焼けの中に消えていきます。
ホームは1つ。有名な駅ですが、駅の構造はいたってシンプルです。
ホームのすぐ先は、夕日に染まるオホーツクの海。訪問したのは9月下旬で、一般にはまだ暑い時期ですが、この駅は海風がめっぽう冷たく、非常に寒かったです。
実はこの駅、駅舎の横に物見櫓のようなちょっとした展望台があって、そこから駅とオホーツク海を望むことができます。この日は雲がかかっていましたが、天気がいいと知床連山を望むことができます。
オホーツク海と、それに寄り添うように伸びる線路、そして木造駅舎。この駅が多くの人を惹きつける理由もお分かりでしょう。
それでは駅舎に入ってみます。
駅舎内に入ると異様な光景が。壁に大量に貼られているのは名刺です。ここを訪れた旅人が、足跡を残そうと駅舎に名刺を貼っているようです。それにしても、天井にも名刺が貼られていたのは驚きました。どうやって貼ったのでしょうか。
この駅、無人駅ではありますが、駅舎内に喫茶店があります。「停車場」という軽食喫茶店ですが、これはかつての駅長室のスペースを利用しているようです。ラーメンやカレーの評判がよく、特に「ホタテカレー」が名物として有名です。
再び駅舎の外、今度は駅の正面側に出てみます。
「北浜駅」の看板はなんとも味わい深いです。
この佇まいがいいですよね。まさに「北国の駅」。手前の赤いポストもいい味を出しています。
駅前には国道244号線が通っています。
この時季とはいえ、オホーツク海はすごく冷たいのでしょう。暗くなるにつれて、海風の冷たさにもさらに拍車がかかったような気がします。
(以上2021年9月訪問時)
北浜駅・2023年
さて、観光列車「流氷物語号」に乗って、流氷観光シーズン中の北浜駅にやってきました。
たくさんの観光客を乗せた流氷物語号はこの駅に10分停車します。列車を降りて流氷を見ようとしますが・・・
うーん、遠くに白く見えるのが流氷です。ベストコンディションだとしっかり流氷が接岸するのですが、この日は遠くに望むことしかできませんでした。
たまに勘違いされている方がいるのですが、流氷はずっと接岸しているわけではありません。主に風向きによって、接岸したり離れたりを繰り返しているのです。言い方を変えると、流氷は絶えず移動しています。シーズン中に流氷を見にきたのに、流氷が見られないというケースも決して珍しいことではありません。
冬の駅舎もいいものです。奥の展望台にたくさんの観光客が上っていきます。
駅のホームも人でいっぱいです。
少し流氷のカケラみたいなものが流れていたりもしますね。
流氷は遠くとも、海の色合いはなかなか幻想的でした。
北浜駅・2012年
2012年夏の北浜駅。ほとんど姿を変えていないのではないでしょうか。
駅前の花壇がなんとも可愛らしいです。
駅舎内の名刺は当然のようにこの頃からありました。もちろん天井にも。
展望台から眺めるオホーツク海です。
天気がいいと見える知床連山。こんなパネルまで用意してありました。
このように見ると、海のスレスレの部分を線路が走っているのだと気付かされます。こんな線路が日々管理されて毎日安全に列車が走っていること、よく考えれば本当にすごいことです。