初めての北海道旅行。北海道ってどんなところかな?北海道なんて何も知らないから全然わかんないよ!という方。北海道旅行の(自称)エキスパートである私が、ちょっとアドバイスをします。
はじめに:北海道はきっと皆さんの想像以上に大きいです
まずはじめに。せっかく北海道に行くのだから、札幌も函館も旭川も稚内も行きたい・・・という方。北海道トラベル上級者であれば、そういう旅行もありですが(私は好きです!)、旅行初心者はやめたほうがいいのではないかと思います。
だって、JRの特急に乗ったとしても、札幌〜函館は4時間、札幌〜釧路も4時間以上、札幌〜稚内に至っては5時間以上を要します。北海道って、めちゃくちゃでかいのです。したがって、ここも行く、あそこも行く、という風に色々な場所に行こうとすると、1日移動で潰れてしまうなどはザラにあるのです。北海道を嗜んでくると、こういった移動時間に真骨頂を感じたりするのですが、初めての北海道という場合は、移動に時間を使ってしまっては旅行の満足度が下がりかねないと思います。
したがって、初めての北海道旅行の場合、ここもあそこも・・・と欲張りすぎて移動に時間を使ってしまうのではなく、1つか2つの場所に絞ってじっくり観光するのがおすすめです。
まあ、旅行上級者だと、ドライブが楽しくなったり列車の旅が楽しくなったり色々するんですけどね。ちなみに私はめちゃくちゃ移動する旅行は大好きです。
初めての北海道旅行なら函館を勧めます!
北海道は本当に色々な観光地がありますが、「はじめて」の北海道旅行、という方におすすめなのは圧倒的に函館(はこだて)です。私も北海道旅行はアホみたいに行っているわけですが、函館ほど観光しやすい場所はありません。函館をおすすめする理由を詳しく説明する前に、まずは函館ってどこにあるのか、何があるのか、初歩的なところを説明していきます。
函館はここにある!
函館があるのは、北海道の南です。
函館って何があるの?
函館がいい!って言われても何が魅力的なのかわからないですよね。ちょっと写真と共に、函館並びに函館周辺の代表的な観光地・グルメ・景観をご紹介します。
(五稜郭公園と五稜郭タワー)
江戸幕府が築造した西洋風の城郭、五稜郭公園と、それを見下ろせる五稜郭タワー。
(金森赤れんが倉庫)
開港のまち、函館を代表する景観の一つ。函館に入ってきた西洋文化を感じることができます。オルゴールづくりなどの体験教室のほか、お土産物も充実。
(八幡坂)
函館は坂の多いまち。どの坂も個性があっていいですが、ここ八幡坂は一際有名です。
(元町エリアの歴史的建造物)
函館の国際貿易港としての開港とともに、函館には異国情緒あふれる建物群が。内部見学や展示などを通じ、その「ハイカラ」な歴史を学ぶことができます。
(函館山からの夜景)
説明は不要かもしれません。言わずと知られた函館の夜景です。
(トラピスチヌ修道院)
キリスト教の修道院。神聖な場所のため建物の中には入れませんが、その美しい庭と建物は圧巻です。
(函館朝市の海鮮丼)
やっぱりグルメも大切。函館朝市は数多くの名店が揃い、観光客のみならず地元の方もよく訪れます。
(函館塩ラーメン)
函館を代表するグルメといえば塩ラーメン。中華スープから生まれた透き通った色のスープが、函館の塩の特徴です。
(湯の川温泉)
保温効果が高いことで知られる温泉。冬には人間だけでなく・・・
(大沼国定公園)
函館市内ではありませんが、函館から近いにもかかわらず息を呑むような大自然。駒ヶ岳は季節によっても見る方角によっても、その雰囲気が変わります。
以上は本当に代表的なもの。もちろん北海道を代表する観光地だけあって、他にもまだまだたくさんあります。
なぜ函館がおすすめなのか?
とにかく観光しやすい!
冒頭にもちょろっと書きましたが、函館は、本当に観光しやすい都市です。まず函館の街自体がそんなに大きくなく、観光地と言える場所が密集しています。あそこに行って、歩いて次の場所に行って、またまた歩いて次へ、、、みたいなことが全然できてしまうのです。
また公共交通機関が充実しており、函館市電が鬼のように便利です。函館市電に乗れば大抵の場所には行けます。上に挙げた観光地のうち、函館市電の電停から歩いていけないのは「トラピスチヌ修道院」と函館から少し離れた「大沼国定公園」だけ。市電に乗るだけで本当に色々行けてしまうのです。この便利さは、北海道の他の都市にはありません。
観光地が函館市中心部に多いため便利!
「観光しやすい」ことと関連しますが、函館の観光地は函館の中心部付近に多いです。つまりどういうことかというと、観光していて何か困ったことがあっても近くにコンビニはあるし、飲食店はあるし、トイレはあるし、、といったケースが多いのです。これは初めての北海道の方には安心でしょう。
北海道の中には有名観光地でも、トイレはない、飲食店もない、コンビニなんてあるわけがないみたいな場所だってあります。函館の場合そのような場所は少なく、疲れたから店に入って休む、忘れ物したからコンビニで買う、などが普通にできてしまう観光地が多く、安心して観光できると思います。
函館グルメを代表する店が函館駅前に集結!
やっぱり北海道に来たらグルメ、という方も多いでしょう。海鮮を食べたい、ラーメンを食べたいと思わない方の方が少ないことでしょう。
函館は、ラーメンの名店や海鮮丼の名店が、函館駅前など非常にわかりやすく、アクセスの良い場所に揃っています。例えば海鮮丼の有名店「きくよ食堂」「一花亭たびじ」は駅前にある「函館朝市」の中。塩ラーメンの名店「あじさい」も函館駅の中にあります。有名なグルメハンバーガー店「ラッキーピエロ」も函館駅前に。函館駅周辺だけで、函館を代表するグルメがほとんど全て食べられてしまうのです。この便利さはなかなかすごいですよ。
やっぱり、有名な海鮮丼の店が多い「函館朝市」が駅前にあるのが大きいですよね。ここに挙げた以外にも色々な名店があります。
また、もう一つ追記しておくと、函館朝市は観光地であるにもかかわらず、リーズナブルなお店が多いです。観光客をぼったくる!みたいなお店が少ないので、ここも初心者におすすめできるポイントです。
気候もマイルド
夏に行く場合は関係ありませんが、函館は冬でも比較的温暖で、暴風雪になることなども他の都市と比較して少ないです。そんな点も、初心者でも比較的安全に旅行できると言えるのではないでしょうか。北海道に詳しくない方だと暴風雪の本当の怖さを知らないかもしれませんが、普通に命に関わります。
そして命に関わるところまではいかなくとも、吹雪けばJRは止まりますし、飛行機は飛びませんし、バス・車は下手すると立ち往生します。交通機関が全部止まっても、もしくは渋滞にはまって立ち往生しても、乗っている車が吹き溜まりに突っ込んでも、落ち着いて最善の行動を取れる上級トラベラーであれば過酷な地方を旅しても良いですが、やっぱり初めてなら、そういったリスクの少ない場所がいいでしょう。
学びを深められる
函館は「学習旅行」的なものにも最適な場所。そういった意味でも、知識を身につけられる函館は初めての北海道に最適です。歴史的・文化的な特色に溢れている函館は、観光しながら自然に学びを深めることができます。単に「綺麗だった」「美しかった」「すごかった」で終わる場所ではなく、どういった時代背景でこれができたのか、このような歴史があるからこんな文化が体験できるとか、そういった函館の文化を存分に学ぶことができます。こういった「観光らしい観光」ができて、その上で「勉強できる」というところも、初めての北海道旅行に函館をおすすめする大きな理由の一つです。
開港のまちならではの異国情緒
函館は、日米和親条約で真っ先に開港された場所です。その後日米修好通商条約で国際的な貿易港となるわけですが、その影響があって和洋折衷の文化が発達し、どこか異国情緒を感じさせる場所です。旅行初心者にとっても、「いかにも旅行をしている」という気分を盛り立ててくれるはずです。
昔の人たちも旅は函館から
最後は歴史的なもの。今でこそ、北海道最大の玄関口は新千歳空港ですが、飛行機なんてなかった時代、北海道で最初に足を踏み入れた場所は函館でした。
それは江戸時代に北海道の探検に出かけた冒険家も、本州から船に乗って最初にいった場所が函館などの道南。そしてその頃、札幌や旭川などは全くもって「未開の地」で、北海道の南だけが「北海道の全て」だったのです。江戸時代に書かれた北海道の地図なんかを見るとわかりますが、本当に函館近辺だけが「とりあえず知られている」場所で、その他の場所はそのずっとずっと後になってから全貌が明らかになっていったのです。
江戸時代なんてそんな昔でなくとも、北海道への旅は函館からでした。石川さゆりの「津軽海峡冬景色」に歌われているように、上野発の夜行列車を青森駅で降りて、青函連絡船に乗って最初に降り立つ場所は函館だったのです。
こんなことを思うと、やっぱり最初の北海道旅行は函館でしょ!と思ってしまいます。
具体的にどんなプランがいい?
以下に函館のモデルコースがありますので、参考にしてください。
個人的は、上の「2泊3日モデルコース」か、またはもう一泊追加して3泊4日にして、余裕を持って観光するなんてのがいいかなと思います。1日くらいはのんびり散歩しながら気になった店に入ってみる、なんてのもいいですよね。
そしてさらに追記をしておくと、そういった「歩きながら気になった店に入る」という楽しみ方にも函館は最適です。多分「ぶらぶらあてもなく街歩き」が、北海道の中で一番面白い場所、それがここ函館だと私は思います。函館は歴史的な街並みが残っているので、ただ街歩きをしていても気になる店がたくさん見つかるんですよね。また町がコンパクトなので歩きやすいです。疲れたら市電やバスに乗る、なんてこともできちゃいますしね。
たとえばこんな店、私もノーチェックだったのですが、たまたま見つけてすごく面白かったです。
個人的には、3泊までなら「函館3泊」が楽しいと思います。4泊以上するなら、たとえば「函館2泊」「札幌2泊」みたいなのもありでしょう。まあ、函館って本当に観光する場所多いですから侮らないでくださいね!
「ばやしの北海道紀行」でも、函館の観光地について、その楽しみ方などを多数紹介しています。「記事を探す」から「道南エリア」の記事を探せば出てきますから、よろしければそちらもご活用ください。
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