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グランクラスで北海道へ!北海道新幹線グランクラス乗車記

鉄道・交通

インターンシップの面接が終わったのが午後3時半過ぎ。そして次の日と、その次の日もフリーとなれば、北海道に行くしかありません笑。ちょうど学割証も余っていたので、そそくさと東京駅へ向かいます。

冬だとこのように、急に予定が空いたから北海道に行こう、というのは命取りで、防寒着などを入念に準備する必要がありますが、夏ならリュック一つで気軽に行けてしまいます。

乗車しようと思っているのが、17時20分発の「はやぶさ39号」新函館北斗行きです。しかしきっぷを購入しようとするとなんと満席でした。なんでもない平日なのになぜ、と思いましたが、致し方ありません。空いているのはグリーン車とグランクラス。それなら、いっそのこと「グランクラス」という異世界空間を体験してみようと思い、グランクラスの切符を買ってしまうことにしました。

その金額、東京から新函館北斗までなんと4万円を超えます。私は乗車券は東京〜函館間で学割で買ったので、やや安くなってはいますが。

東京駅

学割の乗車券を買う窓口が混んでいたので、出発に間に合うか心配でしたがなんとか余裕を持ってホームに上がることができました。

ホームの案内板には「新函館北斗」の文字。「木古内(きこない)」などの北海道の地名が東京駅で見られるのも嬉しいです。

「はやぶさ39号」に充当される車両はJR北海道の車両。JR東日本の車両とJR北海道の車両のどちらも走っていますが、JR北海道の車両の方が北海道へ向かう気分になりますね。とはいえ、JR北海道所属の車両はかなりレアキャラだったりします。

さて、遠慮なくグランクラスの乗車位置に並びます。グランクラスで北海道に上陸する、というのはどんな体験になるのでしょうか。思い返せば、かつて寝台特急で十何時間もかけて北海道に上陸したときは格別でしたね。

軽食とドリンクサービス

天井の照明と、窓枠の照明が異世界空間を演出します。普通の新幹線にこんな空間があったのか、と思えてしまう空間です。なんだか、リラックス空間というよりもVIP空間、という印象でした。

乗車率はまずまず。グランクラスの座席も半分以上は埋まっているようでした。

出発すると、アテンダントさんからおしぼり、水などが入った袋をもらえます。「ウェルカムセット」と呼んでいました。そして、「リフレッシュメント」と呼ばれる軽食を、和食・洋食どちらにするかということを聞かれ、あわせてドリンクの注文をとってくれます。グランクラスでは、軽食は1回のみですが、ドリンクは飲み放題です。

列車は首都圏の街並みを北上していきます。

しばらくして、先ほど注文した、軽食とビールを持ってきてくれました。ビールをグラスに注いでくれることはないようです。

私が選択したのは和食です。この軽食ですが、めちゃくちゃ美味しかったです。想像以上でした。なんていうか、本当に美味しいんですよ。これを食べるためにまた乗りたいくらいです。

調べてみれば、日本料理の名店「分とく山」が監修しているようです。メニューも季節によって変わるようで、これは美味しいのも納得ですね。グランクラスで軽食を食べない選択は、個人的には「ナシ」だろうな、と思いました。

食事は持参の駅弁を!

グランクラスに乗るうえで注意が必要なのが、軽食「リフレッシュメント」は食事にならないということです。リフレッシュメントは、おやつ感覚に近いくらい量が少ないので、食事をしたい場合は駅などであらかじめ弁当を購入してから乗車する必要があります。

ということで、私は出発前に「東京弁当」を買い込みました。東京の名物が詰まった名物駅弁です。グランクラスの車内で「シウマイ弁当」は似合わないじゃないですか。グランクラスの車内で食べるなら、ある程度高級な弁当を持ち込むのが礼儀のような気がしたのです。まあ、別にシウマイ弁当でもよかったのかもしれませんが。「駅弁のレパートリー2つしかないの?」とは言わないでください。

東京の名店の味が揃った、美味しい駅弁なので、興味ある方はトライしてみてください。

駅弁を食べ終われば、アテンダントさんがしっかりゴミを回収してくれます。このあたりはさすがですね。

東北新幹線を北上

東京は青空でしたが、車窓に目をやると少し曇っています。列車は東北新幹線を北上していきます。

ここで、函館のホテルの手配をすることにしました。新幹線へは飛び乗ったので、今夜の宿をまだ確保していないのです。しかし、見てみると函館のホテルはどこも満室です。空いているのは、函館から離れた高級宿くらいでした。函館に着くのは22時ごろの予定なので、函館から離れた宿なんて行けるわけがないですし、高級宿に泊まるお金もありません。困りました。なんでもない平日のはずなのに、なぜホテルがどこも満室なのでしょうか。

今晩の宿を確保できない、となると不安になりそうですが、実は心配いりません。グランクラスはアルコール飲み放題。ワインを飲んでアルコールが回れば、今夜の宿の心配など吹き飛ばすことができます。私はあまりお酒に強くないので、ちょっと飲んだだけで酔いが回ってしまいますからね。

ワインと一緒に注文したのがパウンドケーキ。ワインも、パウンドケーキも、グランクラスオリジナルのロゴが入っています。

列車はあっという間に仙台に到着です。驚いたのが、グランクラスも仙台で降りるお客さんがたくさんいたことです。東京から仙台はたった1時間半ですが、この距離でもグランクラスに乗ろうという人がかなりいることを知りました。お金持ちですね。

夕焼けを眺めて盛岡へ

仙台を出る頃、窓の外を眺めると、空が赤くなってきていました。

西の空が赤く染まっています。

やがてトワイライトタイムに突入。そんな美しい夕焼けには目もくれないように、列車はひたすら高速で走り続けます。北海道の大地もどんどん近づいてきています。

すっかり暗くなった頃、盛岡駅に到着です。ここで秋田行き「こまち号」と解結し、ここからは「はやぶさ号」単独で青森・北海道方面を目指します。盛岡駅でもグランクラスからたくさんお客さんが降りられました。たくさんと言っても、グランクラスの座席数自体が少ないので数人降りた、というレベルですが。

盛岡でアテンダントさんが交代

盛岡駅の停車時間中に、アテンダントの方が交代しました。盛岡までのアテンダントさんはフレンドリーで話しやすく、頻繁に車内を見ていてくれましたが、盛岡から乗って来られた新しいアテンダントさんは基本的に自室にこもっている感じで、座席の「アテンダント呼び出しボタン」を押して初めて来る、といった形でした。

東京〜盛岡間の方が、需要が高い分、プロ意識の高い方が担当されているのかもな、という印象を受けました。もしかしたら、盛岡からは車内が空いていたので、頻繁な見回りの必要もないと判断されたのかもしれません。

今度はお茶をもらうことにしました。美味しかったですよ。

盛岡から先はこまめに駅にとまり、ついに新青森駅に到着です。JR東日本の区間はここまで。ここから先はJR北海道の路線になります。いよいよ本番。青函トンネルを抜けるのは、やはり何回目であっても楽しみですね。

青函トンネルを抜けて

新青森駅を出ると、いよいよ北海道新幹線の区間です。まだ青森県ですが、ここからは線路の管理もJR北海道がやっています。

本州最北端の新幹線駅、奥津軽いまべつ駅に到着です。この駅、日本の新幹線駅で利用者数が最小(2023年現在)の駅。コロナの影響を受ける前の2019年の一日平均乗車人員はわずか26人。周囲は何もなく、この真っ暗な中ここに降りたらどうなってしまうのか、逆に好奇心を揺さぶられてしまいます。奥津軽いまべつ駅の詳細や駅周辺についてはこちらの記事に記してあります。

奥津軽いまべつ駅を出ると、ついに青函トンネルに入ります。青函トンネルの前に、何本かトンネルを抜けるので、トンネルに入ったからといって「やったー青函トンネルだ!」って思ってたら違った、ということがかなり起こりやすいです。熟練者になると、入ったトンネルが青函トンネルかどうかは音でわかるようになります。青函トンネルは音の反響の仕方が違うんですよね。

青函トンネルに入る前には、青函トンネルの詳細について案内がなされます。これは昔から変わりません。青函トンネルは、それだけ北海道にとって大切なものなのです。特に物流の面での青函トンネルの役割は大きく、これがあるから北海道の農作物を貨物列車で本州に輸送でき、また本州のものを北海道に運べるのです。

青函トンネル開通は1988年。これまでに果たしてきた役割はものすごく大きいものがあります。

青函トンネルを通る時はいつもワクワクしますが、やはりかつての寝台特急で通ったとき夜行急行で通ったときは、新幹線にはないロマンがありましたね。

青函トンネルを抜けると、そこは北海道。窓の外は何も見えませんが、北海道に入った時の喜びは変わりません。

北海道に入って最初の停車駅、木古内(きこない)に到着です。木古内駅も2019年の1日平均乗車人員は52人と、決して大きな駅ではありません。北海道新幹線は終点の新函館北斗ですら周りは閑散としていますからね。(新函館北斗駅の詳細はこちら)どの駅も施設は立派ですが、利用者は少ない、そしてわずか150kmほどの短い路線ながら年間100億円の赤字を垂れ流しているのですから、北海道新幹線の必要性を疑問視する声が出るのも、なんだかわかる気がしてしまいます。新幹線が開業して、在来線時代に比べて料金が跳ね上がったからという理由で、青森ー函館の移動で今までJRを使っていたお客さんがフェリーを使うようになった、なんて話も聞くぐらいですから。まあ、札幌延伸時に期待ですね。

そして21時44分、東京駅から4時間24分。ついに終点の新函館北斗に到着です。

グランクラスってぶっちゃけどうだった?

さて、4時間20分ほどグランクラスに乗っての率直な感想をここで述べましょう。グランクラスは、「非日常感を味わいたい」という場合には素晴らしいと思います。雰囲気が列車離れしているので、どこか知らない世界を旅している気分になれます。見慣れた車窓でも、少し違ったように見えるかもしれません。

また、「リフレッシュメント」が規格外の美味しさでした。これは外せません。

その他サービスとしては、ドリンク飲み放題がありますが、アルコールよりもソフトドリンクの方が質は高い印象でした。お茶やリンゴジュースは、かなり美味しいものでしたよ。パウンドケーキは普通でした。

一方で、座席の座り心地は、というとそれほどでもなかったな、という印象でした。座席自体は大型で広いですが、リクライニングがすごく深く倒れるわけでもなく、「ぐっすり寝たい」という需要に応えられるものではないかな、と思います。徹夜明けとかで、ただ単にリラックスしたいから、寝たいからという理由でグランクラスを選択するのは、あまり賢くないかもしれません。はっきり言って、座席の快適さだけでいえばグリーン席で十分なのでしょう。むしろグリーン席の方が座り心地はいいのではないか、とさえ思いました。いや、まあ東北・北海道新幹線のグリーンに乗ったことはないのですけれど。

悪くいえば「中途半端」なんですよね。寝られる姿勢でも、ソファーに座る感じでもないというか。それでいて「きっちり座る」という椅子でもないのです。きっちり座るなら、普通車の方がよほど体にフィットします。

あとは、周囲の乗客が気にならないのはメリットだと思います。プライベート空間がしっかり成立しているので、車内にどのくらいお客さんが乗られているのか、ということはあまり気になりません。また客層がいいので、車内が静かだったりしますね。そう言った点で、ある程度周囲に気を遣ってグランクラスの乗客としてのマナーの良さが求められたりもするでしょう。

グランクラスを利用される際は、ぜひ参考にしてください。いろいろ書きましたが、上質でいい空間、一度体験する価値は十分にあると思います。

おまけ・新函館北斗から先の移動

新函館北斗では、ほとんどの乗客が函館行き「はこだてライナー」に乗り換えます。私もこれに乗って、函館方面へ。

「はこだてライナー」は、終点函館の一つ手前、五稜郭(ごりょうかく)駅で降りることにしました。だって、時刻はもう10時過ぎなのに、今夜の宿が取れていないんですもん。

こんな時でも、五稜郭で降りれば大丈夫。近くにネットカフェがあり、そこに行けばいいのです。五稜郭駅からネットカフェ「快活クラブ函館昭和店」までは3km弱。天気が良ければ普通に歩ける距離です。街灯もないところだと怖いですが、ここは市街地。安心して歩けます。皆さんも、宿を取らずに函館に来てしまった場合は参考にしてください笑。

快活クラブ。まだ横になって寝られるブースが空いていました。朝までいて、学割をきかせて1710円で泊まれました。シャワーも浴びられますし、本当にいいですね。

ちなみに函館のホテルが満室だったのは、高校生のハンドボール大会があったからのようです。次の日函館朝市の店の人が教えてくれました。

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