AIR DO(エアドゥ)をご存知ですか。AIR DOは、北海道の札幌に本社を置く航空会社です。
今回の内容は以下の3つです。AIR DOの魅力に迫ります。
・AIR DOの歴史
・AIR DOの機材
・AIR DOのサービス
AIR DOの歴史
1996年に北海道国際航空株式会社として設立されました。国際航空とあるので、国際線も運航していたのかと思いきや、実は国際線の運航は2014年のチャーター便が初めてであり、それ以前は国際線の運航はありませんでした。そして2014年の国際線運航時は、すでに社名が北海道国際航空からAIR DOに変更された後だったというのも面白いですね。
北海道国際航空が設立された経緯は、航空便の値上げにありました。直接的なきっかけは、1996年の幅運賃制度の導入です。これにより、一定の範囲内であれば、航空会社が自由に航空運賃を設定できるようになり、航空便が値上がりしたのです。これに危機感をあらわにしたのが実業家の浜田輝男(はまだてるお)です。これでは北海道の経済に影響を与えかねないと、大手航空会社の寡占状態を変えるべく、航空会社を設立、東京(羽田)〜札幌(千歳)で運航を始めました。
もちろん安い値段で乗れる航空会社を目指していたわけですから、コストカットは徹底していました。ドリンクサービスなし、ボーディングブリッジを使わずタラップによる乗降など、今のLCC(格安航空会社)と似た策を取っていました。
しかし大手航空会社はこれに対抗して値下げを行い、北海道国際航空は苦戦を強いられることになります。結局経営状況は深刻になっていき、2002年に経営破綻をしてしまいます。
ただ、北海道国際航空の設立目的が、大手航空会社の値上げに対する危機感なので、北海道国際航空が参入して大手が値下げに走ったということは、設立の目的自体は達することができたと考えることもできそうですね。
その後、民事再生手続を行い、ANA(全日本空輸)の傘下に入り、全便をANAとコードシェアするようになって、今に至ります。
AIR DOの機材
AIR DOの機材は、2023年10月現在、2種類が運航されています。
中型機・ボーイング767-300と、
小型機・ボーイング737-700です。
ANAの傘下ということもあり、かつてANAで活躍していた機材が中古で使われている、というケースが多いのが特徴です。ボーイング737も、今では737-800が主流ですが、AIR DOの機材は737-700で、ANAからはすでに全機が退役している機材です。
エアバスA350やボーイング787などに乗り慣れると、個人用画面などはもちろんついていないので、古さを感じるかもしれません。また2023年10月現在、機内wi-fiも使えません。エンターテインメントという点では、大手よりも劣るでしょう。しかし、機内では画面ばっかり見てないで窓の外を見た方がいいですよ。
そして飛行機が得意でない方、大手に比べて「安全性大丈夫なの?」と思うかもしれません。安心してください。AIR DOは設立以来、事故を起こしていないどころか、重大インシデントすら一件も起こしていません(2023年10月現在)。これはすごいことです。
AIR DOのサービス
大手航空会社に比べて、もちろんAIR DOは運賃が安い傾向にあります。しかしAIR DOはLCCではありません。LCCによくある、座席指定料や荷物重量の厳しい制限などはなく、ドリンクサービスもあります。またLCCは狭い機内にできるだけ多くの座席を入れるためシートが狭いですが、AIR DOのシートピッチは大手航空会社と同じ水準です。まさに、「フルサービス」「大手と同等の快適性」ながら、安さもあるという非常にバランスの取れた航空会社です。LCCとフルサービスキャリア(FSC)のいいとこどり、とも言えますね。
そして着目したいのが機内のドリンクです。これは大手のものも美味しいですが、AIR DOはさすが、北海道ドリンクを味わえるのです。
中でも名物なのがオニオンスープです。北海道・北見の玉ねぎを使った逸品です。変な甘さや辛さはまったくなく、本当に玉ねぎ本来の味が楽しめます。意外と薄味だと思うかもしれません。機内でも、北海道を味わえる。大手航空会社にはない魅力です。
かなり本格的なので、寝て飲めなかった、ということがないようにしてくださいね。きっと期待を裏切りません。
もう一つ、これはいつもではないかもしれませんが、ホタテスープがあります。こちらは完全にホタテの味です。
もちろん、めちゃくちゃ美味しいです。ホタテです。ホタテ以外の何物でもない味です。
個人的には、夏はオニオンスープ、冬はホタテスープが飲みたいですね。暑くても美味しいのがオニオン、寒い中芯からあったまるのがホタテって感じです。でもどちらもすごく美味しいです。オニオンは薄味寄り、ホタテは濃い味寄りですから、ご参考までに。
もちろん、これらスープ以外にも選択肢はあります。ミネラルウォーターは、北海道大雪山の水。麦茶は北海道産二条大麦を使ったAIR DOオリジナル。コーヒーは珈房サッポロ珈琲館のもの。どれをとっても北海道のこだわりが詰まっています。AIR DOのドリンクサービスは、北海道観光の一部といってもいいでしょう。
唯一北海道要素を感じないのが、リンゴジュースです。リンゴジュースは選ばないでおきましょう笑
どうですか。AIR DOに乗って、飛行機の中から北海道観光をしてみたいと思いませんか。
せっかく高いお金を払って飛行機に乗るのだから、退屈しながら移動するだけでは勿体なさすぎます。移動そのものを楽しむ。それも、ゲームをしたり映画を見たり家でもできる楽しみ方ではなく、北海道を味わう楽しみ方をする。さあ、AIR DOに乗って、北海道いきましょうか。