北海道・旭川の東、上川町(かみかわちょう)にある「大雪森のガーデン」。北海道ガーデン街道の8つの庭園の一つです。「森のガーデン」の名の通り、森の中に作られており、庭園でありながら大自然の雰囲気を味わえることが特徴です。
ところで、「大雪森のガーデン」の読みは「だいせつもりのガーデン」です。大雪山などの地名で使われる「大雪」には、「たいせつ」という読みと「だいせつ」という読みの2通りがありますが、ここは後者の読みを採用しています。
あ、間違っても「おおゆき」なんて読まないでくださいね。
また、庭園がお好きな方は、旭川にある「上野ファーム」もセットで訪問されることをお勧めします。「上野ファーム」と「森のガーデン」を直接結ぶ交通機関はないので、公共交通でこの両者を訪問しようとすると結構めんどくさいですが(上野ファーム→(路線バス)→旭川駅→(JR)→上川駅→(送迎バス)→森のガーデンという行き方になる)、車を運転するのであればだいぶ楽に両方を制覇できるでしょう。
森のガーデンへのアクセスは?
はじめにアクセスについて記述します。「大雪森のガーデン」は本当に森の中にあるので、公共交通の匂いのしない場所になります。とはいっても、JR上川駅から車で15分程度で着きますし、層雲峡にも非常に近いので上川・層雲峡などの観光とセットで訪問すれば、さほど不便な位置ではないでしょう。
車を運転せずに公共交通だけで訪問しようとすると、少しハードルは上がりますが、実はJR上川駅から森のガーデンまで無料の送迎バスが出ているので、意外と便利です。特に事前予約も必要ないので、公式ホームページから時刻表をチェックすればOKです。
送迎バスはJR上川駅から出ています。バス停の名前が「上川森のテラスバスタッチ」となっているのでどこだよ?となりそうですが、実際にはJR上川駅の隣、ほぼ上川駅のバスターミナルといってもいいような場所から出ています。
こちらがその送迎バス。ナンバープレートが「8787」=「花花」なのがポイントなのですが、実は私が行ったこの日が、この車の最終日だったとのことで(だから記念写真を撮ったのです)、今は別の車が使われていることでしょう。
「森のガーデン」に向かう途中の送迎バスから眺める車窓も、見応えがありました。
森の花園
さて、いよいよ「大雪森のガーデン」に入園です。
入園してまずすぐに目の前に現れるのが、「森の花園」という庭です。
開放的な空間に、色とりどりの花が植えられています。
花を見ながら右へ左へ歩く。花が好きな人にはたまらないでしょう。
中にはこんな区画も。「花の泉」と呼ばれる区画です。
「森の花園」と一括りで紹介していますが、細かく分けると「大雪な庭」「四季のすみか」「花の泉」「親しみの庭」「カムイミンタラ」の5種類の庭で構成されています。ただ、どの庭が綺麗かどうかは季節によって大きく変わるようで、5種類すべてをコンプリートしよう、という見方よりも、その中で綺麗な(もっとも花が咲いている)庭を重点的に見ている人が多かったです。
森の迎賓館
「森の花園」は見通しがよく、開放的な庭でしたが、そこを抜けると「森の中」という雰囲気が強くなります。ここが「森の迎賓館」です。「森の花園」が花メインだったのに対し、「森の迎賓館」は、森林浴がメインとなります。
「森の絨毯」
ここは「森のリビング」です。森林浴には最高に気持ちのいい空間です。ぜひのんびりしたいですね。
そしてここは「森のダイニングキッチン」。LDKが揃ってます。
「癒しの谷」も森林浴にうってつけのスポット。写真に写っている人影は旅行中に出会い、旅をご一緒したおじさんです。いろいろ奢ってくれてありがとうございました。そして楽しかったです。
「癒しの谷」という名前の通り、テラスの下は谷です。谷へ降りていくこともできました。
周囲は深い森の中のようです。
この花、ご存知ですか?「ヒマラヤの青いケシ」こと、「メコノプシス」です。「天空の幻の花」とも呼ばれ、全世界にファンがいる花です。「幻の花」と言われる通り、非常に栽培が難しく、またヒマラヤのような高地の秘境でしか咲かない傾向にあることから、なかなか見ることのできない大変珍しい花となっています。そしてこの「大雪森のガーデン」の看板のような存在にもなっています。「大雪森のガーデン」の標高は630mほど。北海道で、しかもこの標高だからこそ育つ花です。
メコノプシスは気温28℃以下でしか育たないため、見ることができるのは6月中旬〜下旬ごろになります。
遊びの森
森の迎賓館からさらに奥へ進むと、そこは「遊びの森」です。
まず見えてくるのが体験交流棟「チェプ」です。「チェプ」はアイヌ語で「太陽」の意です。
この日は誰もいませんでしたが、何かのイベントにも使われるのでしょうか。
ここで小休憩するのも気持ちがよさそうです。奥にある黄色い輪っかは実はベンチ。「リング型揺れるベンチ」というものです。
そして建物の目の前には色々な遊び道具が。トランポリン、卓球台、フリスビーなどがあります。子ども向けではあるかもしれません。まあ少なくとも大の大人が遊ぶ場所ではないですかね。
一方こちらは大人も子どもも楽しめそうなもの。「森の木琴」です。木琴の一番上から木のボールを転がすと、そのボールが木琴を下っていき、森の中にその音を奏でます。割とゆっくり転がっていき、音もそんなに大きくないので、風流な響きです。
ちなみに写真の後ろ姿が2人になっていますが、もう一人おばちゃんと合流したためです笑
「森の木琴」を見た後は、その木琴からさらに道なりに上っていきます。そこにあるのが「鳥の目になるテラス」です。
このテラスの上からだと、「木の上に止まっている鳥の目線を味わえる」ということから、「鳥の目になるテラス」と名付けられているようです。
そしてその形もなんだか鳥の頭に似ていると思えるのは、気のせいでしょうか。
テラスの先端から、「森の木琴」を見渡します。テラスの上は風通しもいいです。
売店・カフェ
庭園の入り口には、売店と喫茶店があります。売店は特筆すべきものはないですが、喫茶店ではカレーなどの軽食や、ソフトクリーム、ドリンク等を楽しめます。食券制です。
静かな森を眺めながらの休憩、なかなかいいですよ。
一応注意するべきこととしては飲食店はこのカフェと他にあと一つ、すなわち2つあることです。ここで紹介しているカフェが、庭園の入り口にある「上川大雪カフェ・緑丘茶房」です。こちらはカジュアルな雰囲気で、軽食または小休憩に使う喫茶店です。
一方で、「大雪森のガーデン」の入り口から道路を挟んで反対側にはイタリア料理店「フラテッロ・ディ・ミクニがあります。こちらは高級なイタリア料理の店で、ふらっと立ち寄る場所ではなく、本格的な料理をしっかり味わう場所になります。サービスも食事の内容も、そしてもちろん景色も素晴らしく、評判のレストランです。
森のガーデン観光の所要時間は?
「森のガーデン」の観光にかかる時間は1時間半〜2時間程度です。非常に広いので、全部見て回るには最低でも1時間半は欲しいかな、と思います。逆に、庭が好きな方や、森林浴を目的で来られる方の中には、半日ここで過ごす方も珍しくないようです。先述の森の迎賓館内にある「森のリビング」や「癒しの森」では、ゆったりと椅子に座って森林浴ができるので、長時間の滞在も全く問題ないでしょう。
最後に
庭園とはいえ、油断なりません。くれぐれもご注意ください。