こちらの記事は、春の胆振散歩(1)の続きです。
(前回の記事)
室蘭散策
まずは室蘭のカレーラーメンの店、「味の大王 室蘭本店」に向かいます。
商店街の中を歩いていきますが、やはりシャッターが目立ちますね。
人通りもあまりありません。東室蘭の方はそこそこ発展しているのですが、この辺りは衰退も激しいのでしょう。
そして目的地、「味の大王 室蘭本店」に到着です。
うーん、営業時間内のはずなんですけれどね。貼り紙には「臨時休業 本日人員不足のためお休みさせていただきます」とのこと。どこも人手不足で大変ですね。食べたかったですが、こればかりは致し方ありません。
実は味の大王はもう一件あります。「味の大王 裏浜町店」です。今度はそちらに向かって歩いてみます。それにしても廃墟がたくさん並ぶ街中。地方の現実を思い知らされるようです。
そして「味の大王 裏浜町店」も閉まっていました。実は本店とここでは味が違うと言われているのも面白いポイントなのですが、残念です。
仕方がないので、駅ではなく観光案内所を目指して歩くことにします。きっと何かしらの情報を得られるでしょう。
観光案内所からバス移動
着きました。ここが室蘭の観光協会です。やけに立派な建物、そしてSLがなぜかいますが、ここはかつての室蘭駅の駅舎を再利用したもの。昔はここが駅だったんだぞ!ということを主張するように、立派なSLも展示されているのです。観光協会自体が観光地かもしれませんね。
観光案内所の人にカレーラーメンを食べたいが、味の大王は2軒とも閉まっていた、という旨を話すと、最初は「この時間ならまだやってるんじゃないの?」という反応でしたが、人手不足で休業って書いてあったと言うと妙に納得した様子で、他の店を色々調べてくれました。車で来ていないので、公共交通で行ける範囲で、しかもその電車やバスの時間が合う範囲でとなると、意外と難しいのです。また営業時間がすごく短い店もあったりするんですよね。
最終的に、道の駅に行くことにしました。10分後くらい、13時44分に観光協会の前のバス停から路線バスが出るようなので、それに乗って「室蘭築港」で降り、そこから歩いて道の駅に向かうというルートです。「道の駅でもカレーラーメンは食べられますし、展示とか土産物とか色々あるので面白いと思いますよ」とのことだったので即決です。
無事に「室蘭築港」バス停で降り、道の駅まで歩きます。時間によっては道の駅まで行くバスもあるんですが、この時間はありませんでした。
道の駅と白鳥大橋
ありました、「道の駅 みたら室蘭」です。
道の駅の中には「くじら食堂」という食堂があります。まずはこちらがそろそろラストオーダーの時間になってしまうため、早めに店に入ります。
オーダーしたのは室蘭のカレーラーメンとやきとりが同時に食べられる「室蘭セット」。これ1つで室蘭を満喫できそうです。味としては可もなく不可もなくといった感じでしょうか。まあカレーラーメンはそこそこ美味しいなと思いましたが、やきとりは作ってからかなり時間が経っていたような感じも受けました。
一応、特筆すべきは室蘭のやきとりは「鳥」じゃなくて「豚」なんですよね。これが室蘭やきとりの特徴なのです。
道の駅のすぐ近くには、室蘭のシンボル「白鳥大橋」があります。道の駅から外に出ればすぐです。
あいにくの天気ですが、それでも綺麗な橋ですね。白鳥大橋は1998年に建造された東日本でも最大の吊り橋です。夜にはライトアップもされ、室蘭市内のいろいろな場所から橋を望むことができるようです。道の駅の中にも白鳥大橋に関する展示がありました。
こちらは大黒島。黒百合が咲く島として知られています。1796年にイギリス船・プロビデンス号が来航した際、水兵のハンス・オルソンが事故死し、この島に埋葬されています。
道の駅のすぐ隣は海。結構なロケーションです。
「幸福の鐘」もありました。鳴らしていきましょう。
ゆららと絵鞆岬
道の駅から歩いてすぐのところに、むろらん温泉「ゆらら」という温泉施設があります。
ここに来たのは、温泉に入りたいのもそうなのですが、何より荷物が重いのです。今回は諸事情あってリュックの中にはパソコンが2台。本当は展望台にでも歩いていきたいのですが、この荷物をどこかに置いていきたいのです。
最初は道の駅にコインロッカーでもあればいいなと思っていましたが、結局ロッカーの類はなく、荷物を預かってくれる場所もありません。そこで救世主となりそうなのがここ。「ゆらら」にはロッカーがあるので、ここに荷物を置いて展望台に行き、その後温泉に入ろうという目論見です。
温泉の受付の人に展望台までの道を尋ねると、「歩いて行くのは厳しいだろう」との回答。しかも道がわかりにくいのです。受付の人が大きな地図を持ってきて場所を説明してくれている最中に、後ろで話を聞いていたおじいちゃんが「俺が車で連れてってやるよ」との言葉。こういう言葉には甘えるしかありません。
ということで絵鞆岬(えともみさき)まで車で送ってきてもらいました。あいにく雲が分厚いですが、大黒島や白鳥大橋を望むことができます。
天気はこんな感じでも、やはり綺麗なものです。
車に乗っけてきてくれたおじいちゃんも地元の方ではありますが、絵鞆岬に来ることはあまりないようで、一緒に観光客気分で見物していきました。「ゆらら」にはほぼ毎日きているとのことでしたが、こういった景勝地って、意外と地元の人が来るところではないですよね。
絵鞆岬には公衆トイレもありますが、おじいちゃんはその公衆トイレを少し覗いた後、トイレの脇の草陰で用を足していました。まあそういうことなのでしょう。
絵鞆岬を観光したら、再び車に乗っけてもらって「ゆらら」に戻ります。「ゆらら」とここは思ったよりも距離があり、車に乗せてもらえて本当によかったです。
さて、「ゆらら」に戻ってきました。温泉に入っていきます。ここから室蘭駅方面へ向かう路線バスの時刻まではおよそ2時間あり、ゆっくりできます。まあ2時間後の便が今日の最終バスなので、乗り遅れたら洒落にならないんですけれども。
ところが温泉の中で再びさっきのおじいちゃんと話をし、路線バスで今夜の宿に行くつもりである旨を話したら、じゃあホテルまで車で送ってってやるよ、とのこと。ホテルは東室蘭なので、ここからだとかなり遠いのですが、すごいなあ。
というわけで、ここから東室蘭までワープです。車に乗せてくれたおじいちゃんはやきとり屋の店主でしたが、コロナをきっかけに客が激減し閉店。今では自宅でごくたまにやきとりを焼き、地元のファンに販売しているようです。室蘭の名物であるやきとりやカレーラーメンはもう食ったかとの問いに、さっき道の駅でやきとりもカレーラーメンも食べたと言ったら、大爆笑しながら「道の駅??道の駅なんて(・・・不適切な表現が含まれるため自粛します・・・)」と言っていました。室蘭の名物があの味だと思わないでくれ、もっとちゃんとしたものを食っていけ、と。
となればこちらはおすすめの店を尋ねたくなります。カレーラーメンの店もやきとりの店も、何軒かおすすめを聞きました。「あそこならまあ食える程度だな」という店をいくつか教えてもらえたので、その中で一番のお気に入りの店を尋ねると、「いや、俺はどこも行ったことねえ」との回答。おいおい。きっと道の駅にも行ったことない説が正しそうですね。
さて、そんな会話をしているうちに、東室蘭にある今夜の宿・ドーミーイン東室蘭に到着です。おじいちゃんに礼を言って別れ、ホテルにチェックインすることにしました。
伊達和さび
夕食は東室蘭の回転寿司「伊達和さび」でとることにしました。北海道の寿司といえば、回転寿司が一番美味いです。たぶん。
「伊達和さび」はその名の通り、伊達紋別に本店がありますが、ここ東室蘭にも「室蘭店」があります。逆にいうとこの2店舗しかありません。「伊達和さび」はその知名度の割に、意外と味わうのは難関です。伊達本店の方が美味しいという話もききますが、まあ室蘭店も美味しいでしょう。
ネタが分厚くて美味しいんですよ。下手な寿司屋に入るより間違いなくハイクオリティーだと思います。北海道こそ回転寿司。地元の人もたくさん来店しているのが、この店が高く評価されている何よりの証拠です。
(つづく)