夏の北海道卒業旅行(21)知床から網走・女満別そして帰路へ

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フレペの滝

知床五湖を満喫した後は、知床自然センター(ネイチャーセンター)に向かいます。ここは3つのトレッキングコースの起点となっている場所ですが、今回はその中の一つ、フレペの滝コースを歩き、フレペの滝に向かいます。

これが知床自然センター。中も結構面白いです。

こちらは本物のヒグマの毛皮。実際に触ることももちろん可能です。そして「こまつ たくま」くんという名札が付いています。私の知る限り、10年以上前からずっと変わっていません。

さて、建物を出てフレペの滝へ向かいます。

途中、「森づくりの道」へ立ち寄り。フェンスで覆われている区画で、主に鹿の侵入を防いでいます。このフェンスの中で、木を育て緑を育て、森を作っていく試みが行われているようです。

知床連山を見ることもできますが、そこには「ここで育む木がその背を伸ばし、いつかあの山々が見えなくなる日々が来ることを目指して、森づくりを進めています。」との文言が。木が大きくなり、山が見えなくなって、この看板が撤去できるといいですね。

フェンスの外に出て、いよいよフレペの滝へ向かいます。

歩いているだけで気持ちのいい道が続きます。最高ですね。

真っ白なTシャツで走り回りたい風景です。

道の終点にはオホーツク海が広がります。そしてオホーツク海に直接流れ落ちる滝がフレペの滝です。オシンコシンの滝のところで詳しく書きましたが、知床は山の標高に比して河川が短く、つまり川の流れが急で、また平野部がないため、直接海に注ぐ滝というのが結構多いのです。

向こうに見えるのがウトロ灯台です。そして滝はどこにあるかというと・・・

断崖絶壁に囲まれた場所に、音もなく静かに流れています。この姿から「乙女の涙」という別名がありますが、ただ単に水の流れが涙のようである、というだけでなく、岩と岩の間に隠れるように存在する様子も、この名前が付けられている理由の一つかもしれません。それにしても、断崖絶壁を静かに流れる滝と、目の前のオホーツク海は、これまた絶景です。

知床を出て網走監獄へ

フレペの滝を見て、知床ネイチャーセンターをちょこっと観光した後は、知床半島を網走方面に向かって車を走らせます。今日は最終日ですから、レンタカーの最終目的地は女満別空港。ここからの道のりは、空港に帰るまでの「寄り道」といった感じです。途中、知床半島の付け根にある道の駅しゃりで昼食。

この後行く網走監獄に時間を残すため、急いで食べることにします。

途中、車窓から濤沸湖を眺めます。

そして車を走らせ、やってきたのがここ博物館・網走監獄です。昔あった網走刑務所を移転して、博物館として観光地化した場所で、現役の網走刑務所とは違う場所です。

こちらにある監獄食堂。現在の網走刑務所で出されている食事を食べることができる食堂ですが、14時までの営業。もう営業時間は終わっています。食べたかったですが、こればかりは致し方ありません。

名前が知られている観光地なだけあって、僕も友達から「網走刑務所(監獄)行きたい!!」と言われることは結構多いのですが、実際には「北海道開拓の負の側面」を感じさせる場所で、割と気持ちはどんよりしてしまう場所かもしれません。

こちらが網走監獄で一番有名な建物、「五翼放射状平屋舎房」です。

通路と部屋の間は通風と監視のため縦方向に隙間が入っていますが、これまたよく出来ていて、通路から室内を見ることはできるものの室内から通路を挟んだ向かいの室内は見ることができません。うまく見えないようにずらされているんですよね。受刑者同士でコミュニケーションを取れないように工夫されています。

中は通路が5本、通路の両側には囚人の部屋が並んでいます。そしてその5本の通路全てを中央の見張り所から監視できる、画期的な構造です。

そんな優れた建物ですが、上を見上げると誰かが逃げ出そうとしています。

「昭和の脱獄王」と呼ばれる白鳥由栄です。全身の関節を外せる特異な身体能力で、青森刑務所、秋田刑務所に続いてここ網走刑務所からも脱獄しています。そしてここ網走から脱獄した後も再び罪を犯し、札幌刑務所に収容されますが、そこからもまた脱獄しています。人生で4回も脱獄した恐るべき人です。

脱獄王として有名な人には、他にも「五寸釘寅吉」こと西川寅吉などが有名です。秋田刑務所から脱獄する際、五寸の釘が足に刺さったままおよそ12キロを走って逃げたという、これも恐るべき人です。人生の中で6回脱獄をしたということで、「日本で最も脱獄回数の多い人」として知られています。しかし晩年網走刑務所に収監されていたものの、網走からは脱獄していません。網走刑務所の前に収監されていた空知集治鑑で良い看守に当たり、改心して模範囚となったようです。無期懲役の判決が出ていた寅吉でしたが、71歳のときに網走刑務所を仮出所するまでに至っています。晩年には獄中の話や脱獄の話などを講演していたそうです。

女満別空港

さて、網走を出て女満別空港へ向かいます。途中、女満別の道の駅で寄り道。

のんびりぶらぶら過ごしてから、いよいよ空港に向かいます。

この女満別空港、保安検査場のところに「手錠はお持ち込みいただけません」という表示があるのがなんともユニークです。網走監獄で売られているお土産の手錠(要するにおもちゃ)を買って機内に入ろうという人が多いのでしょう。

反射してしまいますが、せっかくなので飛行機の写真も一枚。家に帰るまでが北海道です。

旅の終わりはオニオンスープ。美味しいんですよねこれが。

飛行機はやっぱり速いですよね。あっという間に羽田空港に到着です。

エピローグ

12日間というのも長い旅行ではありますが、とてもわずか12日とは思えないくらい濃い旅行であったと感じます。本来であれば卒業直前に「冬の北海道卒業旅行」もやる計画があったのですが、他の旅行との兼ね合いから予算的に厳しかったのと、日程があまり合わなかったのと、社会人になって北海道移住になることが決まっていたこともあり、結局この旅行が事実上の「卒業旅行北海道編」となりました。

この頃はまさか自分が半年後に北海道に住むことになるとは思っていなかったので、学生のうちにやれることをやってしまいたい!という思いが強かったです。何度行っても魅力的な北海道。学生を卒業してからも、社会に出てからも、また周りを巻き込みながら、いろいろな「北海道旅行」を続けてみたいと思っています。

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この記事を書いた人

道外出身・道外在住大学生。
小学生のころから北海道の魅力にとりつかれ、北海道旅行回数は30回超。
詳しくは「運営者情報」ページを参照。

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