北海道新幹線の終着駅である新函館北斗(しんはこだてほくと)駅。巨大で新しい駅舎からも、北海道新幹線の(当面の)終着駅という事実からも、栄えていそうな駅という印象があるかもしれません。しかしここは、かなり注意が必要な駅なのです。
それもそのはず、新函館北斗駅は、新幹線開業前は「渡島大野駅」という田んぼの真ん中の駅でした。特急は当然通過、かつて走っていた快速ですら通過、そして普通列車でも一部この駅を無視するものもあったくらい、小さな駅でした(現在でもわずかな本数ではあるものの、新函館北斗駅を無視する普通列車が存在します)。そんな渡島大野駅が新幹線開業に合わせて大出世した駅なのですから、無理もありません。いや、これでも当時に比べたら、駅前にホテルもできましたし、整備もされましたし、大きな進歩を遂げたといえるのです。かつては本当に何もありませんでした。
そんな新函館北斗駅、多くの人が使う「第2の函館駅」だと思って行くと、痛い目に遭います。
駅構内に飲食店はありません!
まず、駅構内に飲食店はありません(2023年現在)。駅構内の飲食店らしきものは1つだけ、BENTO CAFÉ 41°GARDEN のみです。しかし、こちらは飲食店ではなく、単なる休憩スペースのようなものです。売店や店で購入したものを、勝手に椅子に座って食べることができる、要するにイートインスペースです。通常の飲食店ではありません。
南口に向かう通路。突き当たりに見えるのがBENTO CAFÉ 41°GARDENです。天井も高く、綺麗で立派な作りの駅構内ですが、その雰囲気に反して驚くほど何もありません。
改札口周辺。こちらも休める場所はありません。
ですが、どうしても飲食店に行きたい、という方には、救いがあります。駅の南口すぐのところに「北斗市観光交流センター別館 ほっくる」という施設があり、わずかに飲食店が入っています。具体的には、ダイニングカフェ「SOUTH WAVE」とラーメン店「おんじき庭本」があります。ただし営業時間が比較的短く、注意が必要です。
「ほっくる」は南口にあるホテルラジェントプラザ函館北斗の建物の中です。この建物になります。新函館北斗で一番救ってくれるのはここなので、困ったらまずここに行ってみましょう。
売店はあります!
改札内・改札外ともに、駅弁や飲み物を買える売店はあります。改札内の場合は2階のコンコースに、改札外の場合は南口のBENTO CAFÉ 41°GARDENで弁当類・お菓子類を購入できます。コンビニは南口の「北斗市観光交流センター別館 ほっくる」内にあります。ただし、大手チェーンではありません。
駅前通りにも期待しないほうがいいです!
これが南口の駅前通りです。
左手に東横イン、そして映っていませんが東横インの手前にホテル・ラジェントプラザ函館北斗、同じ建物内に「北斗市観光交流センター別館 ほっくる」があります。
そしてご覧の通り、駅前すぐはレンタカー屋が立ち並ぶのみ、人通りはありません。新幹線開業に伴い整備された、やけに綺麗で広い道路が印象に残るのみです。
これは7月の下旬、夏休みシーズンのしかも日曜日の光景です。いつもは乗客が少ないと言われる北海道新幹線の乗客はかなり多く、新幹線からも子ども連れの家族がたくさん降りて、乗っていくような日です。その日中でこの活気のなさですからね。だってほとんど何もないのですから、致し方ありません。新函館北斗駅は新幹線と函館方面の乗り継ぎに使われるだけで、ほとんどの人は新函館北斗駅で経済活動をしない実情があります。
ちなみに駅前通りでおそらく唯一のカフェがtete cafeという店です。駅前通りにも救いは一応ありますが、こちらも営業時間には要注意です。11時くらいから17時くらいまでやっている日が多いようです。
夜は居酒屋の「創作酒場まる」もあります。いや、「も」あるというか、夜はtete cafeが閉まってしまうのでここ一択です。
要するに、駅前で救ってくれるのは昼はtete cafe、夜は「まる」です。「まる」は土日が定休日のようなので注意です。
北口は究極の何もなさ!
駅の南口に関しては、BENTO CAFÉ 41°GARDENというイートインスペースや、北斗市観光交流センター別館 ほっくる、そして人通りがほとんどない駅前通りがあることを記しました。
しかし、北口はこれをはるかに凌駕する何もなさです。新幹線駅どころか、ここに駅があることを不思議に思う光景が広がります。
これです。
北口駅舎と駅前の道路を写してみます。
この光景。列車の発着がある時間でも、北口を使う人は稀です。まあ、乗り換え客が大半なので南口の利用もそこまでではないのですが。
その割には、広くて立派な階段。そして開業時のような綺麗さです。
買い物・飲食は函館駅で!
新函館北斗が今後栄えるためには、多くの人がこの駅周辺の限られた施設を積極的に使うほうがいいのかもしれません。しかし、現状はこの通りなのも事実です。新函館北斗でお昼食べて、お土産買って、ぶらぶら街歩きしてから、、、なんてことを考えてしまうと痛い目に遭います。新函館北斗駅の特徴を分かった上で、利用されることをお勧めします。全国の新幹線主要駅とはまるで異なるのです。
以上を分かった上で、新函館北斗の活性化に貢献したい、という方、新函館北斗周辺のお店をぜひご利用ください。私は読者の方の利便や利益を考慮して函館駅での買い物・飲食をお勧めしていますが、本音としては新函館北斗にももっと多くの人が訪れて、発展してほしいとも思っています。
以上の情報は、2023年の情報です。現在の状況と異なる可能性もあります。