北海道が好きな人、そうでもない人、どちらもいるでしょうが、北海道が日本国内で最も人気の観光地の一つであることを否定する人は少ないでしょう。
また最近では、海外からもたくさんの観光客を引き寄せている場所でもあります。
そんなことを裏付けするように、「都道府県魅力度ランキング」では常に1位。他にも京都や沖縄など、魅力あふれる場所はたくさんあるはずですが、なぜ北海道が圧倒的に強いのか?ここまでの人気を誇るのか?ということを、北海道の魅力を知る私が真面目に書いてみます。
あらゆる面で一流
まず北海道は、「あらゆるニーズに強い」ことが挙げられるでしょう。グルメが大好きという人、自然が大好きという人、いや、繁華街が好き!という人、全ての需要に、トップクラスのクオリティを提供するのが北海道です。
例えば京都だったら、「歴史好き」に焦点が、沖縄だったら「海好き」「自然好き」(歴史要素も割とあるかな)などにそこそこ焦点が絞られてしまいますが、北海道は海あり、山あり、自然あり、グルメあり。そして歴史好きにも地理好きにも魅力的な場所。さらにツーリング、ウィンタースポーツなども充実。あらゆる方面で楽しませてくれるのです。
季節による楽しみ方が多彩
続いてこれです。北海道は同じ場所でも、季節によって楽しみ方が変わります。これも、リピーターを産み、魅力度を高めている理由の一つでしょう。
夏は北海道のベストシーズンですが、その反面、冬だってスキー・スノーボードや流氷、アイスフェスティバルなどで大人気。では春と秋は、、、といえば秋の紅葉だって人気がありますし、春は他の地方と比べると弱いかもしれませんが、それだって五稜郭の桜など大人気の花見スポットがいくつもあります。
わかりやすい例が占冠村の「星野リゾート トマム」でしょうか。ここは夏は雲海を見るリゾートとして、冬はスキーリゾートとして営業しています。普通、スキー場は冬季のみの営業の場所が多いのですが、ここは季節によって楽しみ方を変えることで、通年観光客を魅了し続けているのです。季節によって多彩な楽しみ方を持つ北海道ならではのスタイルに感じます。
他にも中富良野町の「北星山ラベンダー畑」なんかは夏はラベンダー園として営業していますが、冬は「北星スキー場」に姿を変えます。主に夏に多くの観光客を集める釧路湿原も、冬になれば今度はタンチョウ目当てに多くの人が訪れます。夏がシーズンである知床や網走なども、冬になれば流氷観光で大人気。「通年同じ楽しみ方ができる」のではなく、「季節によって別の楽しみ方ができる」のが北海道のすごいところです。
京都や沖縄もすごく魅力的な場所ですが、「季節によって違う楽しみ方ができるか」を考えてみると、圧倒的に北海道がツヨイな、と感じるのではないでしょうか。
本州と生態系が異なる
北海道に着くと「何かが本州と違う」と思いますが、北海道は本州と生態系が異なるのです。本州の青森県と北海道の間、わずかな距離に見えますが、この間には動物相の分布境界線である津軽海峡線(ブラキストン線)があります。この線を境に、北側はヒグマ、南側はツキノワグマ。他にも北側はエゾシマリス、南側はニホンリスとなっているなど、生息している動物に大きな違いがあるのです。
まあこれは動物相の話。植物相においては、分布境界線は津軽海峡ではなく、北海道の南部、渡島半島の付け根あたりに境界線があると言われています。それでも、北海道の大部分が本州と異なる植物相を持っているというわけですから、植物の面においても北海道と本州で違いがある、と言っても大きな問題はないでしょう。
こういった点が、本州と違う「特別感」を感じさせるのでしょう。
大きい!だから魅力が多く見える
そしてやっぱりこれも理由の一つでしょう。大きいから、とにかく見どころがたくさんあるのです。観光地の「密度」が濃いわけでなくても、とにかく大きいので、釧路にあっても旭川にあっても札幌にあっても、「北海道の観光地」と一括りにされてしまうので、北海道には大量の観光地があるように見えるのです。
例えば、東北地方の中尊寺金色堂は岩手県の観光地です。三内丸山遺跡は青森県の観光地、横手のかまくらは秋田県です。「青森県の観光地」というとそんなに多くありませんが、「東北地方の観光地」というとすごくたくさんありますよね。それと同じで、面積が大きいと「観光地が多く見える」のです。
実際、東北地方の6県(青森県、秋田県、岩手県、宮城県、山形県、福島県)をすべて足しても北海道の大きさには敵いません。これに新潟県と、あとさらに石川県を加えてちょうど北海道と同じくらいです。これだけの面積の場所を「北海道」と一括りにしているのですから、「その区域内の魅力」が大きくなるのも当然です。
そう言った点で考えると、沖縄や京都は観光地の「密度」がすごく高いな、と思いますね。面積的には北海道と比べれば圧倒的に小さいのに、大量の観光地があり、北海道に決して引けを取らない人気を誇るのですから凄まじいです。
魅力度ランキング1位は妥当?
どうでしょうか。私は北海道の魅力度ランキング1位はめちゃくちゃ妥当だと思いますが、客観的に考えてずるいと言えばずるいんですよね。他の小さな都道府県1つ1つと、東北6県をすべて足しても足りないくらいの巨大な島全体、北海道が同じ土俵で戦っているんですから。北海道と戦わせるなら、「東北地方」「中部地方」「九州・沖縄地方」などの枠組みで戦わないとフェアではないわけです。「東京都」と「神奈川県横浜市青葉区あざみ野」の魅力度で競えばそりゃ東京都が勝つに決まっていますよね。それと同じことです。
「1回行ったからOK」とはならないのが北海道
季節によって楽しみ方が変わる、という話と関連しますが、「北海道は1回行ったからOK、満足したからもう来なくていい」とはなりにくい場所な気がします。「1回行った、素晴らしかった、だから今度はこの花の季節に来てみたい」「今度は晴れた日に見てみたい」「雨の風景も魅力的だろうな」そんな風に思ってしまう場所である気がします。
日本一の山、富士山は世界的観光地ですが、「1度も登らぬバカ、2度登るバカ」という言葉があります。「1度も登らないのは勿体なさすぎる場所だが、2度登るものでもない」という意味だと思いますが、結構このような観光地はたくさんあるのではないでしょうか。北海道は、もちろん個人の感性にも依るのでしょうが、「2度目に来ないバカ」だと思います。普通の観光地では、1度目の感動を2度目が上回ることはないですが、北海道では「4度目の感動より5度目の感動の方が大きい」ことがあります。だからこそ北海道は人を虜にするのだと思います。
まあ、信じるか信じないかはあなた次第。「北海道は1度行った、もうお腹いっぱい」という方も、読者の方にはたくさんいらっしゃることでしょう。それはそれで、自分の感性を信じていただければいいのではないかと思います。