この記事は、真冬の北海道横断の旅(4)の続きです。
初回はこちら。
[3日目]
サロマ湖
朝は温泉で少しのんびりしすぎました。温泉に入っていると髪の毛が凍るんですよ。3日目にして、北海道に寒気が到来。北海道の本気を見られるでしょうか。
まずはサロマ湖から、再び宿の送迎バスに乗って北見駅へ戻りますが、その前にサロマ湖を散策します。
真っ白です。本当に美しいです。
さて、湖の上にやってきました。すごい景色です。
果てしない雪原に見えますが、こんな風にところどころ湖であることを感じさせる場所があります。湖の表面は氷が張っていますが、その下はしっかり液体のままの湖が残っているはずです。ワカサギ釣りとかはこういう氷に穴を開けて釣るんですよね。阿寒湖などではワカサギ釣りができますが、ここでは釣れるのでしょうか。ワカサギというと淡水魚のイメージがあるかもしれませんが、実はワカサギは淡水でも海水でも生きられる魚。ここ淡水と海水が混じるサロマ湖でもきっと生きられる環境のはずです。実際にいるかどうかはわかりません。
宿の送迎バスで、ここサロマ湖を後にします。
北見 再び
送迎バスに送ってもらい、北見駅に戻ってきました。北見駅で30分時間があるので、その間に・・・
今度は温度計を探しに町を歩きます。今日は寒気の影響でかなり冷え込むので、温度計を持って旅したら面白そうではないですか。
無事に温度計を買い込み、11時37分発の遠軽行き普通列車に乗り込みます。ということで、今回の旅での北見の思い出は、アイスとイオンと温度計です。
乗車するのは毎度お馴染みのキハ40型車両・2両編成。北海道の鉄道旅といえばこの車両です。
北見駅のホーム上屋も結構味がありますね。昭和のターミナルといった感じです。まあ昭和の時代生きていませんでしたけれども。
列車は雪景色の中をエンジン音高らかに走ります。
ポカポカの車内のボックスシートから眺める広大な雪景色。北海道の鉄道旅ってこれだからやめられません。
走っても走っても同じような景色がずっと続く車窓。北海道の大きさを感じさせます。
遠軽散策
12時52分、列車は終点の遠軽(えんがる)に到着です。
遠軽で、旭川行きの普通列車に乗り換えます。接続は比較的いいのですが、それでも乗り継ぎ時間は30分ほどあります。
雪も激しくなってきたようです。
遠軽といえば石北線の主要駅の一つ。そして気づけばお昼の時間を過ぎています。となればこの遠軽の30分間でお昼を買いたいところですが、これが結構難しいんですよね。まず駅周辺にコンビニの類がないんですよ。商店街もシャッターばかりで食料を買える環境ではありません。5年前にも遠軽で食料調達をしようとして、15分ほどの時間で最寄りのコンビニ(ローソン遠軽厚生病院店)をトライしたことがありましたが、遠い上に場所が分かりにくく、さらにレジも混雑していて、危うく列車に乗り遅れそうになりました。雪道を全力で走った思い出があります。列車は1日数本という世界ですから、乗り遅れたら洒落になりません。
ということで、今回はコンビニではなく、国道に向かって歩いてみることにしました。国道沿いだったら、何かあるかもしれないと思って。
駅前通りはこんな感じ。たくさん建物はあるんですけど、お店はなかなかありません。
商店街を国道の方向へ歩きます。
国道に出ましたが、適当な店はありませんでした。いや、まあ仕方ありません。駅に戻りましょう。昼食はスキップして夜おいしいものでも食べましょう。
駅に戻って旭川行き普通列車に乗り込みます。といっても先ほどと同じ車両です。この車両が30分間ここで待ってくれていただけです。列車本数が少ないっていうのはこういうことです。
1日1本の峠
遠軽駅から旭川方面へ向かう普通列車は1日3本あり、この13時27分旭川行きのほか、17時と19時にあります。ということはこの列車は始発の普通列車ということですね。しかも17時と19時の便は途中の白滝(しらたき)までしか行きません。要するに、13時27分発旭川行きは、普通列車としては旭川まで走る始発かつ最終列車です。
まあ、これは普通列車の話。このほかに特急列車が1日4本出ており、利用客の多くは特急を使います。
さて、この列車に乗ってどこに行くのかというと、上川(かみかわ)駅に向かいます。
遠軽駅から上川駅まではわずか4駅。すぐに着きそうだな、と思うかもしれませんが、実は2時間弱かかります。途中の白滝駅から上川駅の間は駅間なんと37.3km。この一駅でなんと54分を要します。
この白滝駅〜上川駅間、駅間がこんなに長いのは、ほとんど無人の地帯を走るためです。そしてなぜほとんど無人地帯なのかというと、峠道なんですよね。石北峠という峠です。まあ37kmを54分かけて走るということからも、決して容易い道のりでないことがご想像いただけるのではないでしょうか。
そしてこの峠を越える移動というのは需要が極めて少なく、この峠を越える普通列車は乗車中の列車が、始発列車兼最終列車です。他は1日4本の特急列車と、1日1本の特別快速「きたみ」号がこの峠を走ります。
ちなみに、昔は白滝駅〜上川駅間には集落もしっかりあり、駅もいくつかありました。白滝駅から上川駅の間には、上白滝・奥白滝・上越(かみこし)・中越(なかこし)・天幕(てんまく)の5つの駅があったようです。
上川駅
「次は上川です」の放送から50分以上。列車は満を持して上川駅に到着です。ずいぶんためましたね。
上川駅到着は15時22分。ここで下車します。しかし列車は発車する気配がありません。なんとこの列車、上川駅で44分も停車し、上川駅発車は16時06分です。本当に峠を越える移動需要っていうのは考えられていないのです。
北見で買った温度計によると、この時の気温はマイナス8度でした。
さて、早速駅を出ます。ここからは層雲峡を目指し、路線バスに乗り換えます。
(つづく)