旭川から路線バスで45分ほどの場所にある「上野ファーム」。「北海道ガーデン街道」の一つに数えられる有名な庭園です。
上野ファームは、元々はお米農家でした。1983年にお米の個人販売をはじめた際、農家に直接買い付けにくる客が増えたことで、ただ米を売るだけでなく来てくれたお客さんの目を楽しませたい、そんな思いでルピナスを植えたことがはじまりだったようです。やがて本格的なガーデニングをするようになり、今では北海道を代表するガーデンの一つとなっています。
そんな上野ファーム、この記事では見どころを一つひとつ紹介し、最後にアクセスや所要時間について記述します。
いざ入園!
それでは、上野ファームに入ってみます。赤い屋根が印象的な受付とショップ。上野ファームの入口は西口と東口の2ヶ所がありますが、ここは西口です。メインエントランスは西口の方なので、どちらから入ったらいいのか迷う方は西口を選べばいいでしょう。
建物の中で入場料を払い、ガーデンに入ります。
ロングボーダー・サークルボーダー・パープルウォーク
入ってすぐ右側の区画は、典型的なイングリッシュガーデンでした。ガーデンマップでいうところの、「ロングボーダー」「サークルボーダー」「パープルウォーク」の区画です。上の写真のような、庭の周りをぐるっと取り囲むように一周している道がロングボーダー、その円の中にある、円形の庭がサークルボーダー、そしてサークルボーダーを串刺しのように突っ切っている道が「パープルウォーク」と呼ばれる道です。
このあたり、円を基調とした区画になっているところがサークルウォークですね。
サークルウォークの主役はバラです。
そしてサークルウォークの隣の、この直線通路が「パープルウォーク」。
「パープルウォーク」の名の通り、紫色の花が道の両脇に植えられていました。
ミラーボーダー
さらに奥へ進んでみると、もう一つ典型的なイングリッシュガーデンが。
ここは有名な場所なのではないでしょうか。道の終点に青いベンチのあるこの風景は、よく写真で見ます。上野ファームを代表するスポットの一つでしょう。
ぜひこの青いベンチを入れて写真を撮りたいものです。「上野ファーム」らしさが一気に出ます。
白樺の小道
次に行きたいのが「白樺の小道」。白樺の中を通っていくのですが、これが北海道らしく美しい。
美瑛の「青い池」の周りや、富良野のファーム富田など超有名観光地でも白樺の中を歩く体験はできます。でもここはそれらの場所と比較すると静かで、「北海道の森林浴」気分を存分に味わえるでしょう。
ノームの庭
次に、大きな池が象徴的な「ノームの庭」。これまでのイングリッシュガーデンと比較して、より「自然の景色」に近い風景が広がり、また広いです。
広くて開放感があります。英国の庭そのものではなく、より北海道の気候に合わせた作りになっているようです。そしてこれだけ開放感があっても、周囲は高い木々で囲まれているので、庭園の外の風景が目に入ることはなく、大自然に囲まれた、森の中のような雰囲気を味わえます。
実は「ノームの庭」ができたのは2016年のこと。上野ファームの中でも新しい庭です。
「ノームの庭」の「ノーム」は、妖精の名前。真夜中にこっそり出てきて庭仕事を手伝うのだそうです。あのとんがり屋根の家に住んでいるのかな?
ちなみにここ、ノームの庭から、次に紹介する射的山までは「ノームの散歩道」という道で繋がっています。まるで山の中へ続く秘密の通路のような、ワクワク感を味わえます。
射的山
次に「射的山」へ。山というだけあって、道は上り坂が続きます。
射的山へ登っていく道の途中には「青雲の木」「白雲の木」があります。どちらも見応えのある木でした。
「青雲の木」
「白雲の木」
通路をずっと上っていくと、その終点が射的山の頂上です。
見えました。これが射的山の山頂。虹色の椅子が並んでいるのが目印です。
射的山の山頂からは、綺麗な田園地帯を見渡せます。
この「射的山」は標高171m。決して大きくない山ですが、その名前から想像できるように、屯田兵の射的訓練に使われていた山です。元々は「キピリヌプリ」(アイヌ語で「水際からそそり立っている山」の意)と呼ばれていましたが、永山屯田兵が射的訓練場として使うようになってからは、「射的山」にその呼び名を変えたようです。また石器等が出土したこともあり、非常に歴史のある山であることがわかります。
マザーズガーデン
射的山の麓にあるのが、マザーズガーデンです。数ある庭の中で最も統一感がなく、いろいろな花が自由に植っている感じですが、それが逆に生き生きとした魅力を醸し出しています。そしてここ、マザーズガーデンが上野ファームの「庭づくり」発祥の地です。上野ファームの庭作りは、この庭から始まったのです。
その他
庭にはニワトリもいました。
カフェ
そしてのんびり時間調整をしたり、軽食を取ったりできる場所があります。NAYA Cafeです。カレー、サンドイッチといった、しっかり食事にできそうなものから、おやつとして食べられそうなさつまスティック、カレーパンなどもあります。もちろんドリンクも豊富です。
おしゃれな外観のカフェ。晴れた日には外で飲食もできるのでしょう。
中もおしゃれで綺麗、そして落ち着く空間です。
私はエルダーフラワーティーを注文。花の香りがこれでもか!というほどしました。一応お茶ではありますがかなり甘いです。なかなか普段味わえない花の香りで、個人的には結構おすすめです。
上野ファーム観光の所要時間は?
観光にかかる所要時間は、1時間〜1時間30分ほどでしょう。一方で、射的山にのぼらないのならば、最短30分程度での観光も可能です。NAYA Cafeでゆっくり食事をしたり、売店で苗の買い物をしたりするなら、2時間くらいが適当でしょうか。
上野ファームへのアクセス
自家用車やレンタカーの場合、駐車場が西口、東口の双方にあるので、心配なく訪問できます。
一方で公共交通で訪問となると、ちょっと難易度が上がります。旭川駅から出ている路線バスは1日3便のみ。それも季節運行です。これ以外のバスはありません。
詳しい時刻表は以下です。
バスでの訪問の場合、(2024年現在のバス時刻表では)上野ファームの滞在時間は1時間10分程度になると思いますが、一通り庭を見て回るのにちょうどいい時間だと思います。
バスは本数が少なくてちょっと・・・という方は、一つ裏技があります。JR石北線の桜岡(さくらおか)駅から上野ファームまで歩くことです。
桜岡駅から上野ファーム(東口)までは徒歩15分ほど。ちょっとした散歩に気持ちのいい距離なのではないでしょうか。川の風景や田園風景を味わえますよ。
上野ファーム公式サイトへのリンク
そのほか、営業時間などは公式サイトでご確認ください。