函館の夜景といえば、もう説明する必要がないくらい有名ですよね。函館の夜景と言っても、実際には五稜郭タワーから見る夜景だったり元町公園から見る夜景だったりもあるのですが、「函館山からの夜景」があまりに有名すぎて、「函館の夜景」=「函館山からの夜景」で定着していますね。
おそらく多くの人にとって、一生に一度は行ってみたい場所であるはずでしょう。日本三大夜景とも世界三大夜景とも、人によっては世界一の夜景と評することもある函館の夜景ですが、本記事ではそんな函館の夜景を最大限楽しむために、生き方と楽しみ方、そしてなぜ函館の夜景がこんなにも評価されるのかについて考えていきます。
函館山の夜景への行き方3通りを徹底紹介!

あまりにも有名なこの函館の夜景が見えるのは、函館山の山頂です。
そしてこの函館山、アクセスは抜群にいいのです。アクセス方法は、主にロープウェイ・バス・タクシーの3通りあります。バスやタクシーが使えるならレンタカーや車でも?と思われるかもしれませんが、一般の車が入れるのは日中のみで、夜景が見える時間帯は混雑緩和のためレンタカーや車で山頂に行くことはできません。それぞれにメリットとデメリットがあります。ただ、実際にこの3通りから選べるのは春〜秋(概ね4月〜11月)の期間のみで、冬は山頂への道路が通行止めになるので、ロープウェイ一択になります。
ロープウェイを使う方法(オールシーズン)

まずはロープウェイで函館の夜景を見に行く方法からです。ロープウェイに乗るといっても、ロープウェイの山麓駅まで路面電車を使う方法と、路線バスを使う方法の主に2通りがあります。もちろんタクシーやレンタカーでロープウェイの山麓駅に向かってもOKですが、やはり代表的な手段は前者2つなので、前者2つのみ紹介します。
まあ、レンタカーももちろんアリですが、函館の路面電車・路線バスの便利さを考えたら函館観光にレンタカーはいらないと個人的には思います。
話を戻しますと、ロープウェイを使って山頂に行くと言う方法のいいところは主に2つ。ひとつは先にも述べたようにオールシーズン使える手段だと言うことです。冬の期間では、ロープウェイに乗ることが山頂へ行く唯一の手段です。
もう一つのいいところは、やはりロープウェイに乗れるところでしょう。ロープウェイの山麓駅を出発して、ゆっくり高度を上げて視界が開けた時に飛び込んでくる函館の景色は感動的です。やっぱり「道路で山頂に行く」よりも、「ロープウェイで山頂に行く」ことの方が、最初に飛び込んでくる景色の美しさへの感動は大きく、はじめての方にロープウェイで夜景を見に行くことを強くおすすめする大きな理由の一つです。
路面電車+ロープウェイで函館の夜景を見に行く
さて、ではどのようにしてロープウェイ乗り場まで行くのか、と言うお話です。

最もメジャーな方法は、路面電車に乗り、「十字街」電停で降りて、ロープウェイの山麓駅まで歩き、そこからロープウェイに乗って函館山の山頂を目指す方法です。これが一番スタンダードな方法です。私も何回も函館の夜景を見に行っていますが、ほぼ毎回このルートを使います。
このルートのいいところは、他の観光地とセットで観光しやすいところ。路面電車の「十字街」電停は、八幡坂や函館赤レンガ倉庫など、函館を代表する観光地が揃っているエリアです。元町公園や函館区公会堂も近いです。「路面電車+ロープウェイ」の方法で函館の夜景を見に行くと、これら十字街エリアの観光地をセットで観光できてしまうのです。
ただし、こんなに素晴らしい方法である「路面電車+ロープウェイ」の行き方ですが、大きなデメリットがあります。それは「十字街」電停からロープウェイの山麓駅までは600メートルほどの距離があり、また上り坂だということです。歩いて10分ほどではありますが、上り坂としてはかなり急な箇所があります。大きな荷物を持っている方、ご高齢の方、その他歩くのが得意でない方などには、お勧めできません。

特に冬は、坂は凍っているところもあり滑るため、注意が必要です。冬の夜に、観光客が急な坂のところで足を滑らせながら、キャーキャー叫んで慎重に坂を歩いている様子は、もはや風物詩です。こんな時は、もちろん電停からロープウェイの駅まで10分ほどで歩くのは難しく、もっともっと時間がかかってしまいます。おそらく20分くらいは見た方がいいでしょう。
バス+ロープウェイで函館の夜景を見に行く
路面電車+ロープウェイで夜景を見に行く際のデメリット、「十字街電停からロープウェイ山麓駅までの徒歩」を避けるためのルートが、路線バスで直接ロープウェイの山麓駅まで行くことです。函館バスで「ロープウェイ前」バス停に向かえばOKです。複数の系統のバスが止まりますが、便利なのは2系統の「函館山ロープウェイ接続シャトルバス」でしょう。ただ、このバスは夜景時間帯のみの運行の上に、路面電車に比べて圧倒的に本数が少なく(市電が7〜8分に1本程度なのに対し、バスは30分に1本程度)、歩くのに問題がない方であれば個人的には「路面電車+ロープウェイ」のルートをお勧めします。「路面電車+ロープウェイ」のルートの方が、数十円安いことも覚えておきましょう。(2025年現在、函館駅前から向かう場合、路面電車が210円(「十字街」まで)、バスが250円(「ロープウェイ前」まで)です。

バスで山頂まで向かう方法(春〜秋限定)
函館山の山頂までは、春・夏・秋限定ではあるものの、なんと驚くことに函館駅前から直行バスが出ています。函館駅前のバスのりば、4番線から出発する「1系統 函館山登山バス」です。2つ目の行き方は、このバスを利用することです。函館駅から乗り換えなしでわずか30分ほどで山頂まで行けてしまうのですから、言うまでもなくこの方法はとっても楽です。
日中は本数が少ないこのバス系統ですが、夜景が見える夜間帯は本数も非常に多く、時間・季節によって異なるもののおよそ10分〜15分おきに出ています。すごく便利ですよね。運賃も片道大人400円と言う安さで、この方法が「もっとも楽で、もっとも安い」方法になっています。ロープウェイに乗らずに山頂に行けるため、ロープウェイを待つ時間もなく、時間的にも早いかもしれません。
ただし、バスの運転日には注意です。ゴールデンウィーク期間や夏季など毎日運転する時もありますが、基本的には土日祝日のみ運転されるバスです。函館山山頂までのバスが運転される日なのか、と言うことは十分確認してから利用する必要があります。また、繰り返しになりますが、冬季間は山頂までの道路自体が通行止めになるため、バスは走りません。必然的にロープウェイを利用する必要があります。
また、この方法はすごく楽ではあるのですが「ロープウェイに乗ると急に視界が開け函館の夜景が見えて、さらに徐々に高度を上げていく」というのがかなりの函館夜景の感動ポイントだと思うのですが、それを体験できないのはデメリットでしょうか。ロープウェイで高度を上げながら眼下に広がる函館の夜景の移り変わりを見るのは、かなり価値のある体験だと思います。私の体感では、山頂よりも、ロープウェイの中の方が、観光客の歓声は大きいです。やっぱり山頂から見る「静」の景色もいいのですが、高度を上げて移り変わる「動」の風景の方が、おおっ!と思うものなのでしょうか。
タクシーで山頂まで向かう方法(春〜秋限定)
一見、お金の無駄遣い、ただ料金が高くつくだけのように思える「タクシーで夜景」と言う方法ですが、函館の夜景を見にいく場合はかなり理にかなっています。実は函館のタクシーの多くは、「夜景観光プラン」のような定額の観光コースを用意しており、比較的格安でタクシーツアーに参加することができます。
詳細は上のリンクから見ることができますが、これらのタクシーツアーを利用すれば、普通に走るよりも格安で函館の夜景を満喫できます。実はこのタクシーツアー、冬期間でも申し込めるものもあるのですが、冬季間はタクシーで山頂まで登ることはできず、タクシーは山麓まで、そこから先はロープウェイ利用となるので注意です。その際の、タクシーツアー料金に加え、ロープウェイの往復料金を負担する必要があります。
函館の夜景の見どころ
次に函館の夜景の楽しみ方についてです。見どころを紹介します。

まず、函館山は標高が高くないため、夜景からでも町の詳細を見て取れます。夜景の中でぜひ探してもらいたいものは以下です。以下のスポットは特徴的で探しやすいため、ぜひノーヒントで夜景の中から楽しく探し出してもらいたいですが、函館の地理に詳しくなければ地図を見ながら探すとわかりやすいです。函館は地形がわかりやすいので、どのあたりにあるかがわかると簡単に見つけることができます。
函館駅

昔の青函連絡船との接続からの名残で、港に向かってホームと線路がカーブしているのがポイントです。かつては青函トンネルがなく、本州から北海道に来る際には、乗客も貨物も、青函連絡船に乗り込んで津軽海峡を渡り、函館港についてから函館駅の電車に乗り換える、という方法でした。その接続の名残から、函館駅のホームは函館港に向かって緩やかなカーブを描いています。現在でも、函館駅のカーブしたホームの先に「青函連絡船 摩周丸」が保存・展示されている様子が夜景からわかり、在りし日の青函連絡船と電車の接続の様子を手に取るように感じ取ることができます。
金森赤レンガ倉庫

赤レンガ倉庫も函館山の山頂から俯瞰してみると、かなり大きいことがわかると思います。
八幡坂

街中を歩いていると数ある坂の1つ、といった印象ですが、もっとも有名な坂だけあって、山頂から見るとしっかり目立つ坂です。ライトアップ期間中はしっかり山頂からライトアップも見えるので必見です。曲線が目立つ函館の夜景において、八幡坂のような直線的な坂は良いアクセントになっています。
五稜郭タワー

函館の街の奥にぴゅっと立っている五稜郭タワーは、函館の夜景を語る上で欠かせない要素です。夜でもライトアップされているので見つけやすいです。節電の際には、函館山から見える側だけをライトアップして、見えない側の電気を消したなんていう話も・・・。以下に函館が夜景に本気か分かりますね。五稜郭タワーの奥にある暗い部分が、五稜郭公園になります。
イカ釣り漁船
これは季節限定ですが、イカ漁の季節(大体6月〜12月ごろ)はたくさんのイカ釣り漁船が海に浮かんでいる様子が見えます。これ、気づかず帰ってしまう方も多いのですが、本当にもったいないです。イカ釣り漁船の漁火(いさりび)の美しさは、函館の風物詩の一つで、函館の夜の風景の象徴の1つです。

隠された文字やマーク?
函館の夜景には、カタカナの「スキ」と言う文字や、ハートマークが隠されています。特にハートマークはかなりの数あると言われており、たくさん見つけられるほど幸せになれるのだとか。ぜひ探してみてね!❤️❤️❤️
なぜ函館の夜景は美しいのか?
函館の夜景がこんなに人気を集める理由、もちろん綺麗だからなのですが、そのような単純な理由の他に、主に2つ、大きな要素があると言われています。
1つは、函館山の標高です。函館山の標高は334メートルで、東京タワーとほぼ同じ高さです。実は夜景が綺麗にみられる標高というのは300〜400メートルほどと言われており、函館山の標高は夜景を見るのに最適な標高なのです。よく「335メートルの夜景」なんて言われたりしますが、実際の標高333.8メートルに、人の目線の高さを加えた高さとなっています。
2つ目は、「印象度」です。函館の夜景は、印象度で言えば世界一とも評されています。この綺麗なくびれの地形は、一度見たら忘れないアイデンティティを有します。函館の夜景はただ綺麗なだけでなく、個性的な地形から、「これが函館の夜景だ」という大きなインパクトを与え、人々の脳裏に焼き付くのです。
ぜひ、そんな函館の夜景、写真で見たことがあっても、実物は迫力が違います。「函館山の高さのちょうど良さ」については、写真からだとあまり分かりません。実際に行って初めて、「高さがちょうどいいってのはこういうことか!」とわかるのではないでしょうか。数ある観光名所を有する函館でも、おそらくトップに君臨するであろう「函館の夜景」。ぜひ本記事を参考にして訪れ、最大限楽しんできてください。


