[3日目]
曇天の稚内
昨日は快晴でしたが、今日は朝から曇天です。ホテルを出て、まずは稚内を散策します。
こちらは稚内の北防波堤ドーム。今ではJRの列車は稚内駅で終点ですが、かつてはこの防波堤のところまで線路が伸びていました。ここが旧樺太航路の発着場で、鉄道から船へ、人の乗り換えや荷物の積み替えが行われていたのです。
今では「最北のまち」である稚内ですが、かつては樺太方面へ向かう船との乗り換え拠点。乗り換える人々や貨物を、高波から守るために作られたのが、この防波堤ドームなのです。
実際、この防波堤ドームができる前の通常の防波堤では、しばしば高波が防波堤を乗り越えて人々を襲っていたようで、まさに強風吹き荒れ、高波が襲う稚内を象徴するような建物です。ここまで立派な防波堤ドームが必要な場所とは、やっぱり稚内の気候の厳しさを思い知らされます。
それを裏付けるように、今日の稚内はすごい風です。とはいっても、稚内の風が本当に強くなる季節は冬。冬が近づくにつれて、強風の日も増えていくのでしょう。風に吹かれながら散策を楽しみます。
美しいドーム。端から端まで歩くと結構な距離です。私はもちろん、この防波堤ドームには何回も来ていますが、端から端までちゃんと歩いたのは今回が初めてなんじゃないかな?
こちらはJR稚内駅であり、道の駅わっかないであり、稚内バスターミナルであり、そしてそして映画館でもあり、はたまた高齢者住宅でもあるという、「キタカラ」という名前の複合施設です。近年のコンパクトシティの考え方に則った複合施設ですね。JRの駅としては、稚内駅を出る特急列車は1日3本、普通列車が4本しかなく、乗客も決して多くないわけですが、その一方で道の駅としてお土産物屋を見にくる人、バスターミナルに訪れる人、映画を見にくる人、入居しているコンビニに来る人などが往来しており、割といつも活気があるように感じる施設です。
そんなことゆえか、「駅ビル」という感じでは到底なく、道の駅メインの建物の隅っこに、ひっそりとJRの駅が入居している、といった印象を受ける施設です。
道の駅で「シカパン」を買いました。美味しかったです。
稚内公園
さて、車を走らせて稚内公園へ向かいます。稚内公園は、稚内市街のすぐ西にある小高い丘の上の公園です。稚内市街を一望できます。
中央に見える一番大きな白い建物が、「サフィールホテル稚内」という稚内で一番物理的にも高く、金額的にも高いホテルです。高い建物の少ない稚内駅周辺で一際目立つ存在ですよね。その左側に見えるのが防波堤ドーム。そして今晩泊まったドーミーインも右側に見ることができます。青い看板のやつですね。
ちなみに稚内市外がここに見えている範囲内だけか、というと決してそうではありません。この辺り、防波堤ドームや稚内駅周辺は、実は稚内市の中心ではなく、稚内の繁華街があるのはもう少し南、JRの南稚内駅がある付近になります。だからか、地元の人にとって「駅」というとそれは稚内駅ではなく南稚内駅を指すことが多いんですよね。地元の人と会話して、「そんなところ駅から遠いだろ?」「いや、駅からすぐですよ」なんていって噛み合わない時が昔ありましたが、地元の人にとって駅は南稚内駅。頭に入れておくとちょっと会話がスムーズになるかもしれません。
宗谷岬方面も望むことができます。海の向こうに陸地が見えますが、その先端部分が宗谷岬です。こうやって見るとやっぱり宗谷岬って遠いんだな、と実感する瞬間でもあります。北海道の大きさを舐めてはいけません。
こちらは稚内市のシンボルのひとつとなっている「氷雪の門」。
ノシャップ岬
つぎにノシャップ岬にやってきました。相変わらず、かなり強い風が吹いています。
昨日は満天の星空が広がっていたノシャップ岬も、今日は分厚い雲に覆われています。昨日の夜は人の気配すらなく、ただ暗闇から波音が聞こえてくるだけだったここも、今日は観光客が数組訪れていました。
稚内灯台。
そしてかなり大きなお土産物屋も営業中です。ちょっとしたお買い物もして行くことにしました。こういう場所でお土産物を見るのも、なかなか楽しいものですよね。
(つづく)