[6日目]
札幌を出発
さて、昨晩9時半にやっと着いた札幌ですが、起床するやいなやすぐに札幌を離れます。
札幌駅まで行き、乗り込むのは10時56分発の特急「北斗10号」函館行きです。これに乗って函館に行きます。
しかし思い返してみれば、新千歳空港に降り立ち、最北端・宗谷岬まで行って、その後函館に行くという、とんでもない狂気の旅行なんですよね。誰だよこんな計画をしたのは!
札幌から函館まではこの特急列車でも4時間弱かかります。途中車内販売は一切ないので、弁当を買い、お菓子を買い、お茶も3本くらい買い、まるで夜逃げでもするのかといったくらいに買い物袋を抱えて、列車に乗り込みます。
もう窓枠はこんな感じ。
さて、函館までの4時間ですが、本来は「睡眠時間」にしてもいいかな、と思っていました。だから昨日3時半くらいまで洗濯をしていても今日の心配をしなかったのです。
しかし結論から言うと、函館までの4時間、一睡もできませんでした。うん、どんなに寝ろと言われても寝られなかった。だって天気が最高なんですもん。
この特急「北斗」号。当サイトでも車窓の紹介をして好評を博していますが、非常に車窓風景が美しい列車でもあるのです。雲ひとつない青空の特急「北斗」といったら、それはそれは車窓が美しすぎるのです。これはまばたきすらできませんって。
札幌から函館の車窓
そんなわけで、特急「北斗」の函館までの車窓をご紹介しましょう。
まずは札幌近郊から。エスコンフォールドHOKKAIDOです。
続いて見えてくる特徴的な形の山は樽前山です。
と、ここで札幌の駅弁をオープン。幕の内弁当「いしかり」です。私は札幌駅で駅弁を買う時は毎回これです。たまには違うの食べればいいのにって??なんか毎度食べたくなっちゃう味なんですよ。
東室蘭を出ると、車窓左手側には噴火湾が広がります。今日は天気がいいので、湾の反対側の陸地もしっかり望めますね。そしてそこには大きな山が。あれ、噴火湾越しに望む駒ヶ岳です。これから列車は噴火湾をぐるっと回って、あの山の麓を走っていくことになるのです。
こちらは有珠山。
そして有珠山の右側には昭和新山も望めます。
噴火湾をぐるりと回って、先ほど眺めた「反対側の」陸地の方にやってきました。真ん中に見える綺麗な成層火山は「蝦夷富士」の別名を持つ羊蹄山です。
ついに列車は駒ヶ岳の麓までやってきました。駒ヶ岳が作った複雑な地形を、右に左にカーブを描きながら走っていきます。
見る方角によって姿を変える駒ヶ岳。
そしてこの「小沼と駒ヶ岳」の車窓が、「特急北斗」の車窓の最大の見どころでしょう。
どうですか、こんな4時間、眠れるわけがないでしょう。
五稜郭公園
さて、函館に到着です。まず、暑い。いやほんと、暑い。
気温としては30度にも届いていないわけで、我々の普段の生活圏からしたら「涼しい」レベルなのですが、ここ5日間ちょっと涼しいところを回っていただけで、こんなにも感覚が変わってしまうのですね。暑いです。
ホテルに荷物をデポしてから、市電に乗って五稜郭公園に向かいます。五稜郭公園へは、市電の「五稜郭公園前」電停から徒歩15分ほど。暑い暑いと贅沢な文句を垂れながら歩きます。
やってきました。五稜郭公園です。五稜郭公園は「公園」というだけあって、入場料等は取られません。超有名観光地なのに良心的ですよね。
五稜郭の真ん中にかつての「箱館奉行所」を復元した建物があります。この中に入るときは流石に入場料が必要ですが、非常に面白いので入らないのは勿体無いです。もちろん中に入ってじっくり見学。
五稜郭の「縁」も大半の場所で歩くことができます。ぐるっと一周すれば、五稜郭の星形を体感できます。
五稜郭タワー
五稜郭に行って、五稜郭タワーに上らないのもやっぱり勿体無い。タワーの上まで上がって、星型の五稜郭公園を見下ろしましょう。
エレベーターで展望台に着くと、すぐに目の前に星形の五稜郭を見下ろせます。美しい形です。
と、これだけで満足してしまう人も多いのですが、やっぱり函館山方面の景色も見ておきたいですね。五稜郭が見える方面ばっかりに人だかりができて、こっち側は誰も見てない、なんてこともよくあるのですが、もったいないなあ。
正面に見えるのが函館山です。あそこの山頂からこっち側を見るのはほとんどの観光客がやることですが、こっち側から同じ函館の街並みを見るのはみんなあんまりやらないんですよね。確かに函館山からの方が、高さがあって綺麗に街並みを見下ろせることは確かですが、こっちだってこんなに美しいのに。
そして今日は天気がいいので、さらにこっちにも見所が。
海の向こうに望むのは青森県の下北半島です。
ちなみにこっち側から見える陸地は渡島半島の続き。夕陽が綺麗だなあ!
タワーの1階部分には大きなお土産物屋さんもあるので、お土産選びもここでじっくりすることにしました。
北洋資料館
五稜郭公園の近くに「北洋資料館」という施設があります。この施設、ほとんどお客さんがいないスポットなのですが、実際はすごく面白いのです。あくまで個人的な感想ですが、本当にすごい資料館だと思います。
資料館の入場料は学生50円。非常に安いのに、展示は充実しています。北海道の漁業、北洋漁業について深く学ぶことができます。
中でも1つ目の注目ポイントがこちら。自分が漁船の船長になって、北洋漁業を疑似体験できます。子ども騙しと思うなかれ。床が大きく揺れるようになっており、船の揺れが忠実に再現されていて、荒れる北の海を体験できますよ。そして結構揺れたなあ、なんて思っていると最後に「今日は波が穏やかでしたね」みたな自動音声が流れて北の海の過酷さを思い知るのです。
2つ目の注目ポイントはこれ。江戸時代の人が描いた北海道の地図です。まだしっかりとした測量も行われていない時代。北海道はこんな風に描かれているのです。まさに「未開の地」だったのですね。特に道北地方・道東地方は原形をとどめていないような描かれ方で、北海道が本当に未知の島だったことが読み取れます。
でもよく見ると、知っている地名がいくつも書かれたりしていて、本当に面白かったです。
(つづく)
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